本記事は、大統領に近い5人の人物へのインタビューに基づいている。彼らはみな、現在の状況は非常にデリケートなものだと語り、大統領の機嫌を損ねないよう匿名を条件に話した。
ホワイトハウスから遠く離れた他の民主党議員の多くは、党内ではバイデン大統領がすぐに譲歩するとの期待が高まっていると語った。しかし、大統領の側近の輪が極めて狭いことから、その兆候を読み取ることに慎重な意見もあった。
民主党から離党者が続出
17日、民主党の離党者が続出した。2021年1月6日の国会議事堂襲撃事件を調査した下院委員会の主要メンバーであるメリーランド州のジェイミー・ラスキン下院議員は、7月6日付の大統領宛書簡の中で、選挙運動を続けるかどうかについて同僚民主党議員と相談するようバイデン大統領に促した。
ニューヨーク・タイムズ紙が入手したその書簡は、81歳の最高司令官を疲弊した野球の投手に例えている。「今後4カ月半の間に、われわれが信じるものすべてがかかっている」とラスキンは書いている。
その後、厳しい再選争いに直面しているモンタナ州のジョン・テスター上院議員は、バイデン大統領は選挙戦から退くべきだと思うと述べた。「大統領の祖国への献身は高く表する」と、テスター上院議員はモンタナ州の地元紙に語りながらも、「バイデン大統領は再選を目指すべきではないと思う」と述べた。
ホワイトハウス当局者は、バイデン大統領への圧力をエスカレートさせるために民主党指導者たちが組織的に行ったリーク作戦の結果であるとして、大統領が撤退に向けて動いているとの報道を否定した。大統領はその懸念に耳を傾け、真剣に受け止めてはいるが、撤退への考えは変わっておらず、過去24時間以内に側近に選挙に残る決意を明らかにしたという。
バイデン大統領の長年の上級顧問であり、最も忠実な側近の1人であるマイク・ドニロンは、民主党の疑念や世論調査の一部にもかかわらず、選挙戦は依然として僅差の勝負であると大統領に伝え、勝利への道はまだ残されていると主張したと、他のアドバイザーは述べている。バイデン大統領の家族もまた、同大統領が長い間不利な状況を克服し、懐疑的な見方を覆してきたことに言及し、バイデン大統領の粘り強さを支持している。