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尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾・罷免にともなう韓国大統領選は、2025年6月3日に投開票される。各種世論調査では左派の最大野党「共に民主党」の前代表、李在明(イ・ジェミョン)氏が断トツでトップをひた走る。
それでも毎度のように大どんでん返しがある韓国大統領選のこと。今回ばかりは順当に李氏に落ち着くとの見方が強いが、右派の現与党も座して死を待つわけにはいかない。
めくるめく事態が動いているが、「李在明大統領阻止」に一縷(いちる)の望みを託される対抗馬は、「大統領代行」として駆け回る、韓悳洙(ハン・ドクス)首相となる可能性が出てきた。
独走する李在明氏
李氏は次期大統領選に向け、盤石ともいえる態勢を整えている。
2024年4月に投開票された総選挙では、自らに弓を引く恐れのある候補予定者を公認せず、公党を「私党化」していると指摘された。
歴史的な圧勝に終わった選挙後は、党執行部も自身に近いメンバーでそろえ、次期大統領選に向けた準備を進めてきた。
「数の力」を背景に、尹錫悦政権の提案する法案を通さなかったり、修正させたりし、意に沿わない要人に対しては、政府のみならず司法の関係者であっても弾劾訴追案を成立させて圧迫した。
すでに始まった「共に民主党」の公認候補選には、李氏のほか、金東兗(キム・ドンヨン)京畿道知事、金慶洙(キム・ギョンス)前慶尚南道知事の3人が立っている。2人の金氏はともに、李氏と一定の距離を置く。
2人は総選挙前には、尹氏の前任の文在寅(ムン・ジェイン)元大統領との近さなどから、有力な次期大統領選候補になりうると注目されていた。
しかし、尹氏の弾劾・罷免で大統領選自体が大幅に前倒しされ、まともな選挙態勢が整っていなかったことや、「私党化」された党内でしっかりした足場を築けなかったことなどから、李氏に独走を許している。
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