2024年末の「非常戒厳」騒動からまもなく2カ月。尹錫悦大統領は結局、逮捕されてしまった。現職大統領の逮捕は韓国史上初。ところが、与党「国民の力」は非常戒厳直後の支持率急落から、今になってじわり回復。最大野党「共に民主党」を抜いた状況になっている。とはいえ、与党側には問題と不安材料が山積している。現地事情に詳しいジャーナリストがその理由を説明する。
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44年ぶりの戒厳令の発令から1カ月あまり。2025年1月15日には韓国憲政史上初めて、現職大統領として尹錫悦(ユン・ソンニョル)容疑者が逮捕され、勾留期間も延長された。不名誉極まりない歴史の汚点を記したのが、元は検事総長だったというのは何とも皮肉だ。
その尹政権を支えてきた右派(保守)の与党「国民の力」をめぐって、奇妙な現象が起きている。暴挙を犯した尹氏への批判はなおも強い中、各種世論調査では与党支持率がにわかに上がり始めたのだ。
それでも与党関係者たちの表情は暗いままだ。早ければ2025年6月にもと目される次期大統領選に向け、明るい展望が抱けないためだ。
首相弾劾で潮目に変化
世論調査会社の韓国ギャラップは2025年1月17日、各党の支持率を発表した。「国民の力」は39%で、最大野党の「共に民主党」の36%を上回ったという。
尹氏が2024年12月3日の夜に突如として「非常戒厳」を宣言して以降、与党の支持率は低迷していた。だが年が明けると支持率は上がり始め、ついに共に民主党を逆転。韓国ギャラップは、「非常戒厳」以前の構図にほぼ戻った、と分析した。
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