韓国「弾劾」で次期大統領選への攻防スタート 弾劾を審査する憲法裁判所の審理時間が焦点

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2024年12月14日土曜日、韓国・ソウルの中央日報印刷工場で、尹錫悦大統領の弾劾に関する記事を一面に掲載した中央日報の特別版を点検する従業員(写真・ 2024 Bloomberg Finance LP)

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾訴追案は、ついに国会で可決され、尹氏は大統領としての仕事ができなくなった。

表向きは、与党「国民の力」の足並みが崩れ、可決を阻止できなかったとみられているが、実際にはそんなナイーブな話ではなく、与党も「弾劾」を前提に動いた結果だ。

尹氏はいつ、どんな形で正式に大統領を退くのか。次期大統領選を見据えた水面下での神経戦が与野党で始まった。

転んでもタダでは起きぬ尹氏

2024年12月14日。尹氏の弾劾訴追案が賛成多数で可決されると、ほどなくして尹氏は国民に向けた談話を発表した。メディアは国会での採決の行方に注目していたが、尹氏側には「可決やむなし」との情報がすでに入っており、事前に録画した映像だったという。

尹氏は談話を「弾劾訴追案が可決されるのを見て、初めて政治参加を宣言した2021年6月29日を思い出しました」と切り出した。

この日は、検察ひと筋で歩んできた自身が、2017年の朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾・罷免で壊滅状態にあった右派の救世主として担ぎ上げられ、政治の道に足を踏み入れる決意を表明した日である。

さらに尹氏は「この国の自由民主主義と法治は崩れていました。自営業者の絶望、若者たちの挫折が国中を満たしていました」と述べ、前任の左派の文在寅(ムン・ジェイン)政権を暗に批判した。

「つらかったが幸せだった、そして大変だったがやりがいのあった、その旅程をしばらく止めることになりました。これまでの努力が無駄にならないか、もどかしいです」と続けた。

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