DeNA社長が明かす、勝ち残りのプロトコル 「任天堂との提携話も最初は断られた」

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──ゲーム事業のほかに、新規事業の育成にも積極的です。優先順位の考え方は?

われわれはゲームが主力事業であり、今後もそれは変わらない。ブラウザゲーム隆盛の頃と比べると過去2年間の収益は落ちているが、スマホゲームでヒットタイトルが出てきたし、任天堂の件も含めてゲーム事業は再生の道筋が見えてきた。海外を含めてゲーム事業を立て直すために採用も増やし、もう一度注力することを大きな柱の1つに据えている。

一方で、根っこの部分はインターネットの会社。これまでもネットサービスをいろいろと作ってきたし、今後も作っていく。ゲーム事業に匹敵するような大きな事業の柱を中長期的な視点で作っていきたい。3~5年でインパクトの大きな事業を作りたくて、芽を仕込んでいる。2~3年後には、いくつかの新規事業が意味のある利益を生むようにしていきたい。

──ロボットベンチャーのZMPと資本提携し、自動運転技術を用いたタクシー事業に参入しました。

実現性や必要なキャッシュを検討したら、チャンスが大きいことがわかったので参入した。これから実証実験を繰り返しながら商業化していくので、われわれがお金を出すこともあれば、ZMP以外の会社から資金を調達することもありえる。

政府の成長戦略では自動運転に力を入れているし、シンガポール政府からも誘致に対しオファーが来ている。中国の省庁からの問い合わせもあったし、海外企業からも声がかかっている。世界の技術の流れを見ると、自動運転は産業のトレンドのど真ん中だ。

同じ提案でも未来永劫ダメではない

守安功(もりやす・いさお)●1973年生まれ。東京大学卒業後、日本オラクル入社。1999年にDeNA入社、2011年から現職

──他社に提携を持ちかけて、断られることも多いですか。

最初は任天堂からも断られている。自分たちもそうだが、状況は変わっていく。一度は意思決定しても半年、1年後に状況は変わっている。同じような提案であっても、タイミングによって受け入れられることもあるし、そうじゃないこともある。一度ダメだったら未来永劫ダメかといわれると、そうじゃない。

当たるルートも大事。大きな会社ほど、Aさんは興味ないけどBさんは乗り気になる場合があるし、合う合わないもある。僕と合わない人はいるが、南場(智子会長)が話したほうがうまくいく場合もある。DeNAは柔軟で多様性がある。

──創業者の南場氏が会長に復帰したが、役割分担は変わってくるか。

6月から南場は取締役会長となったが、役割は変わっていない。これまでも政府関連や大企業のコネクションなどをメインでやってもらってきたので、会長という肩書きがあったほうがいいだろうとなった。南場の役割部分はさらに強化してもらうが、中身は変わらない。

(撮影:今井康一)

前田 佳子 東洋経済 記者

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まえだ よしこ / Yoshiko Maeda

会社四季報センター記者

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