DeNA社長が明かす、勝ち残りのプロトコル 「任天堂との提携話も最初は断られた」
3月17日の発表の半年前から、現場のゲーム開発者やネットワークエンジニア、事業開発部門など、いろいろなレイヤーで互いに話をしてきた。
実際にどうやって開発し、何が強みで、こういう場合はどうするのかなど、議論も重ねてきた。現場レベルでリスペクトを持ち、補完しながらいいものを作っていけるとの判断に至った。
互いの強みを認識することもそうだし、企業文化や仕事の進め方まで含めて、一緒にやっていけそうだという形になった。現場のキーマンのレベルで協業のイメージを持って始めているので、非常にスムーズに進んでいる。
──3月の発表までに半年を要したのは、資本提携の内容を詰めるのに時間がかかったため?
現場同士のウマが合うかとか、一緒に仕事ができるかどうかを中心にディスカッションした。本当に一緒に仕事がうまく進められるか、互いの現場で「これはうまくいきそうだ」という感触を持ったので発表した。もちろん資本提携の契約自体がヘビーなので、そこも当然、時間をかけた。
──守安さんは過去5年間で、任天堂に何回くらい足を運びましたか。
そこまで多くないが、ことあるごとに話はさせてもらった。
大企業がDeNAと組む意味
──秋葉原にゲーム開発会社を設立したが、これも任天堂絡み?
直接には関係していないが、間接的にはゲームを開発するエンジニアを増やさないといけないので、影響はある。ブラウザゲームの売上高は下がっているものの、大きな収益を生んでおり、減少幅を抑えるようにしている。
スマホゲームでもヒットタイトルが出てきたので、運用の人員が必要になってくる。一方で、任天堂とのゲームも開発しないといけないし、DeNAが独自開発する新作ゲームを出すためにも人を増やす必要がある。
だから今回、秋葉原にゲームの運用をメインとする拠点を作ることになった。秋葉原はコンテンツ産業というかエンターテインメントの好きな人が多い街だから、エンタメを作る人にとって聖地だ。
──ヘルスケア事業では、住友商事とも合弁会社を設立しています。なぜDeNAは大企業と組めるのですか。
任天堂との(提携)発表後、内外からいろいろと声があったので、DeNAの強みを考えてみた。
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