ロボットタクシー、「2020年実現」に挑むワケ DeNAとZMPの合弁は起爆剤となるか
世界初のロボットタクシーは本当に実現できるのかーー。ディー・エヌ・エー(DeNA)とロボット開発ベンチャーのZMPは、自動運転技術を活用した「無人タクシー」の実用化を目指し、5月28日付で合弁会社「ロボットタクシー」を設立した。
両社合計で7億円を出資した内訳はDeNAが66.6%、ZMPが33.4%。DeNAからは、執行役員で新規事業推進室長の中島宏氏が社長に就き、取締役・経営企画本部長の小林賢治氏、執行役員・システム本部長の木村秀夫氏が経営陣に名を連ねた。
一方、ZMPからは創業者の谷口恒氏が会長に就き、インテルキャピタルの投資担当者でZMPの社外役員も兼務する、出川章理氏が取締役に就任している。2001年に設立されたZMPは自動運転技術の開発に力を入れており、2014年にはインテルと資本提携。今年に入ってソニーとも共同開発を開始するなど、複数の大手メーカーと提携関係にある。
DeNAは「パーフェクトな相手」
今回、合弁相手にDeNAをパートナーに選んだ理由について、谷口氏は「中島さんの情熱で決めた。DeNAは事業計画を書いて積み上げ、実行する力が非常に強い。パーフェクトな相手」と話している。今後はZMPの自動運転技術を活用しながら、決済システムや配車マネジメント、保管など複合的なシステム開発をDeNAが進めていく。
ZMPの谷口恒社長は「2020年の東京オリンピックで、無人のロボットタクシーを多く走らせたい」と意欲的だが、実現には多くのハードルが待ち受ける。
現状、自動運転は運転者がいなければ認められていない。これは1949年に作成されたジュネーブ条約に基づくもので、日、米、欧に共通した条件となっている。自動運転はレベル1~4に分類されており、現在、自動車メーカーが開発を進めているのは、「加速・操舵・制御をすべて自動車が行い、緊急時のみドライバー対応する状態」の「レベル3」に相当する。
完全に無人運転となる「レベル4」を全面的に実現するには、国際条約の改正が必要になる。DeNAとZMPの合弁会社ロボットタクシーが狙うビジネスがこのレベル4になる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら