ロボットタクシー、「2020年実現」に挑むワケ DeNAとZMPの合弁は起爆剤となるか

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規制の壁はあるものの、そもそもどんなビジネスモデルを考えているのか。今年2月27日に開かれた、国の「近未来技術実証特区検討会」に出席したZMPの谷口氏は、ロボットタクシー構想について、「従来のタクシー事業をITに置きかえたイメージ」と話している。

具体的には、運営会社が自動車メーカーから車両を仕入れ、ZMPのようなメーカーがそれを自動運転車に改造する。車両の整備工場も必要になるため、その技術についてもZMPが提供していく。「タクシーの場合、オペレーターが配車するが、(新しいビジネスは)クラウドを介して配車や管理をする。IT化でダイナミックなコストダウンになる」と語っている。

単に人を乗せるだけでなく「車の空いたスペースに荷物を載せて一緒に配達する。タクシー事業が中心だが、物流もやる。一挙両得作戦」とも述べており、5月12日の合弁設立の記者会見でも同様の構想が示された。

5月12日に示された、新会社「ロボットタクシー」の事業構想

 ソフトバンクも接近していた

また2月の検討会で、委員を務める小泉進次郎・内閣府大臣政務官が「まさにルールを変える、ゲームを変える、本当に起爆剤だなと思う」と強い関心を示したのは、「ロボットタクシー初乗り200円」のアイデアだった。

ZMPの自動運転車は1台あたり数千万円、これにタクシー事業にかかる費用からIT化で軽減できる人件費を差し引き、車両の償却年数を勘案して、初乗り200円という水準を算出したようだ。谷口氏はこの料金について検討会の場で「ソフトバンクグループとアイデアレベルで事業計画を作っていた」と言及している点が興味深い。

結局、激安構想はアイデアの域を出ず、ソフトバンクとの提携にも至らなかった。「パーフェクトな相手」として手を組んだのはDeNAだが、通信業者を含めてさまざまな企業が自動化技術に注目し、ZMPに接触を図っていることが伺える。

現在、国内で広がる自動運転技術の多くは自動車メーカーが開発したもの。自動車間距離制御システムやレーンキープ支援など、すでに実用化されている運転支援技術もある。こうした分野からさらに進化した「走る・曲がる・止まる」の自動化ならば、2020年の実現も夢ではなさそうだ。

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