DeNA社長が明かす、勝ち残りのプロトコル

「任天堂との提携話も最初は断られた」

1つはネットサービスを作り、運用できるのがユニークな強み。大企業は技術を持っていても、人材の流動性という観点でネットサービスを作ったり、運用することが難しい。餅は餅屋じゃないが、ネットサービスをやってきた会社にお任せしようという考え方が、大企業や特定の技術を持っている会社の間で増えているのではないか。

もう1点は提携の仕方。資本提携や合弁会社などいくつか組み方があり、DeNAは柔軟に考えてやっている。

たとえば、ヤフーや楽天などは社名とブランド名が一致しているから、何かサービスを開始するならヤフーなんとか、楽天なんとかといったブランドに当然こだわるだろう。

会員を流動させて自社のポイントを使う考え方になるはずで、それは強いサービスだからこそ正しい戦略だと思う。そこと組みたい企業もあるだろうが、別のことを考えている会社の場合は折り合いがつきにくい。DeNAは柔軟な組み方が可能なので、任天堂との提携は“黒子”として柔軟な組み方をしている。

さらには、いろいろな業種や規模の会社と組むにあたり、話を進めるプロトコル(手順)を持っている。任天堂は時間をかけて1つ1つ潰していくやり方だったが、小さな会社になると1週間で意思決定できる。大企業やベンチャーに合わせたプロトコルがあり、交渉の仕方や意思決定の仕方は各社とさまざまにディスカッションできるようになっている。

自前か提携かは柔軟に考える

──自前路線にこだわらないのは、過去の経験や反省を反映した戦略ですか。

もともと自前だけで強いサービスがうまくいっていれば、そういうことを考えなくてもよかったのかもしれない。でも、そうではないので、他社と組むことで、たとえばトラフィックが増えたり技術的な交流があったり、うまく補完関係を使いながら事業を伸ばしてきた。

当然、自分たちの強い部分は必要だが、いろいろなサービスをするときに自前がいいのか、あるいは他社と提携した方がいいのか、買収したほうがいいのか。そこは柔軟に考えて、それぞれの立ち上げを最適なオプションを選択してやろうという考え方になる。

──プロジェクトの進行・管理を得意とし、苦手な部分を提携で補っている?

そんなことはない。ゼロからの事業立ち上げは内部でもやっている。でも、他社もそうだが、成功確率が高いわけではない。自分たちでどんどん事業やサービスを作っているが、それだけにこだわることもない。

成功確率を高めるためには、有益な技術やユーザーベース、ブランド力を持っている方が可能性は高まってくる。うまい組み方ができればいいし、伸びているスタートアップ企業を買収したほうが成功の確率が高くなる場合もある。

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