現状維持バイアスからはなかなか抜け出せない
私たちは少なからず「現状維持バイアス」に従っている。何かを選択する際、これまでの習慣をなるべく変えない方向に動きやすい。現状を変えると、さらにベターな結果が生まれるかもしれないが、よからぬことが起きて損を被る可能性もあるからだ。
これまで不自由を感じていないのなら、変えることはリスクを増す行動と判断し、失敗したくない我々は現状維持のほうを選んでしまう。
自宅の電話がNTTだった人は、大人になって通信会社を決めるとき、まず候補にNTTドコモを考えるだろう。カレーのルウもマヨネーズも、実家で親が使っていた商品からまず手に取るものだ。自分がしている選択がニュートラルに検討した結果ではなく、子ども時代からなじんできた習慣であることは多い。
 
子どもの頃の記憶と体験とが、今につながっているのは当たり前だ。だからこそ、いかに子どものうちにファンになってもらうかを、いつでも企業は腐心している。まず自社のサービスを使ってもらうためには、子ども割引や家族割引が有効な武器になるのだ。
現状維持が間違いというわけではない。ただ、「昔から変えていないから」だけの理由だとすれば、もっとも賢明な選択とは言えないだろう。いつもとは別の道に逸れてみると、もっとお得なサービス、もっとリーズナブルな商品に出会える可能性もある。自分の机に目をやり、そこにあるアイテムをなぜ選んだのか、そのルーツを改めて考えてみるのも面白いのではないだろうか。
 
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