「子どもは無料」で簡単につられる大人たちの盲点 企業側の仕掛けには「わかったうえで」乗りたい

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現状維持バイアスからはなかなか抜け出せない

私たちは少なからず「現状維持バイアス」に従っている。何かを選択する際、これまでの習慣をなるべく変えない方向に動きやすい。現状を変えると、さらにベターな結果が生まれるかもしれないが、よからぬことが起きて損を被る可能性もあるからだ。

これまで不自由を感じていないのなら、変えることはリスクを増す行動と判断し、失敗したくない我々は現状維持のほうを選んでしまう。

自宅の電話がNTTだった人は、大人になって通信会社を決めるとき、まず候補にNTTドコモを考えるだろう。カレーのルウもマヨネーズも、実家で親が使っていた商品からまず手に取るものだ。自分がしている選択がニュートラルに検討した結果ではなく、子ども時代からなじんできた習慣であることは多い。

調味料
(写真:Civil/PIXTA)

子どもの頃の記憶と体験とが、今につながっているのは当たり前だ。だからこそ、いかに子どものうちにファンになってもらうかを、いつでも企業は腐心している。まず自社のサービスを使ってもらうためには、子ども割引や家族割引が有効な武器になるのだ。

現状維持が間違いというわけではない。ただ、「昔から変えていないから」だけの理由だとすれば、もっとも賢明な選択とは言えないだろう。いつもとは別の道に逸れてみると、もっとお得なサービス、もっとリーズナブルな商品に出会える可能性もある。自分の机に目をやり、そこにあるアイテムをなぜ選んだのか、そのルーツを改めて考えてみるのも面白いのではないだろうか。

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松崎 のり子 消費経済ジャーナリスト

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まつざき のりこ / Noriko Matsuzaki

20年以上にわたり『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『マネープラス』などのマネー記事を取材・編集。家電は買ったことがなく(すべて誕生日にプレゼントしてもらう)、食卓はつねに白いものメイン(モヤシ、ちくわなど)。「貯めるのが好きなわけではない、使うのが嫌いなだけ」というモットーも手伝い、5年間で1000万円の貯蓄をラクラク達成。「節約愛好家 激★やす子」のペンネームで節約アイデアも研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(講談社)、『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。
【消費経済リサーチルーム】

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