【産業天気図・建設機械】中国減速は後半には解消、「曇り」から「晴れ」へ改善、ただ新興勢との競争が中期の懸念材に

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 一方、来13年3月期の中国市場は、第12次5カ年計画の2年目という公共投資の出動が最も大きい年を迎える。政権交代もあるため、政策課題である所得格差改善策としての低廉住宅建設や地方都市のインフラ建設が全国で幅広く実行され、建機需要もまた増加に転じると見込まれる。

また来期は日本国内で被災地復興需要が本格化すること、資源国需要が引き続き旺盛であることも期待できる。コマツ、日立建機、コベルコ建機(非上場)といった国内大手の来期業績は高い伸びが見込めそうだ。

ただ、海外市場では中国の新興メーカーが急速に台頭し、日米メーカーのシェアを切り崩しにかかっている。中国・三一重工に代表される新興企業は、市場で日本勢のシェアを奪うだけでなく、調達面でいすゞ自動車や川崎重工業といった主要メーカーから大量に基幹部材を買い占め、同じ供給元に頼る日本勢に対し生産制約要素をもたらす懸念もある。日本勢ではコマツ以外の全建機メーカーはこの生産制約懸念をある程度抱えている。中期的には新興企業との市場・調達競争が日本企業の成長課題となってくるだろう。
(杉本 りうこ=東洋経済オンライン)

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