【産業天気図・建設機械】中国減速は後半には解消、「曇り」から「晴れ」へ改善、ただ新興勢との競争が中期の懸念材に

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予想天気
11年10月~12年3月 12年4月~12年9月

建設機械業界の景況感は、2012年3月までの前半が「曇り」と前回予想より後退するが、続く同9月までの後半は「晴れ」を回復する見通しだ。足元の景況感軟化は、最大市場の中国が金融引き締めで需要減速しているため。だがこの減速は調整期にとどまる公算で、12年には現地の大型公共需要で景況感は回復する見通し。国内需要も増加傾向だ。ただ中期的には、新興メーカーとの競争が激化しているのが懸念要因だ。

日本建設機械工業会によると、7月の出荷金額は1785億円で前年同月比9.7%、19カ月連続の増加となった。このうち外需(輸出)は1319億円で、総計同様に19カ月連続の増加だ。ただし外需の伸び幅は6月の28%増、5月の18%増から急速に減速している。

減速の要因は中国とみられる。建機の世界需要のうち、中国は3割を占める最大市場だ。これまではリーマンショックの影響も小さく、ほぼ右肩上がりで需要を拡大させてきた。だが10年10月から中国政府が複数回にわたり実施してきた金融引き締め策の打撃で、11年4月ごろから販売台数の伸び悩み・前期割れが顕在化している。11年(暦年)の現地市場規模は、前縁比3.7%増の17万2000台と、8割伸びた前年から急速に勢いを失う見通しだ(中国工程機械工業協会のデータ)。

中国は従来、コマツ、日立建機など日系メーカーが強い市場。この市場の減速が日本企業にとって痛手であることは間違いない。特に中国シェア首位のコマツは、今12年3月期の中国売上高を期初の3800億円から700億円下方に見直したことが、粗利200億円の減少要因になっている。幸い、豪州など資源国で大型機械が好調であること、日米で建機レンタル業者の更新投資需要が旺盛であることが中国の痛手を相当緩和する。だが、コマツの今期業績は会社想定よりも増益幅が縮小し、営業利益2940億円(前年同期比31%増、会社計画比5.8ポイント悪化)に留まる、と東洋経済オンラインは予想している。

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