食品企業の放射能対策、主要35社アンケート--多くの企業が政府まかせ、後ろ向きの情報公開

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小


写真はイメージです。本文とは関係ありません

「大手企業になればなるほど、何も教えてくれない」。東京都目黒区に住む主婦Aさんは憤る。幼稚園児を抱えるAさんは、福島第一原子力発電所の事故以降、子どもが口にする安全な食材を求め悩むばかりだ。

少しでも情報を得たく、食材の産地や水質について20社以上の「お客様相談室」に問い合わせた。だが、「政府が安全だと言っているから安全」というしゃくし定規の回答がどれだけ多いか。丁寧に教えてくれるのは中堅以下の企業が多かったと嘆く。

原産地表示が義務化されている生鮮品と違い、加工食品や外食、中食はブラックボックスだ。放射能汚染が拡大する中、企業はどのような対策を行っているのだろうか。そこで『週刊東洋経済』は子供が口にすることが多い菓子や乳製品を中心に35社の食品、外食、小売企業にアンケートを実施した。

・5、6ページにアンケート結果の一覧表を掲載

質問したのは「主要製品の国産原料使用状況と主な産地」「放射線測定の有無と実施方法」「測定器の種類」「チェルノブイリ事故時の対応」の4項目に加え、(1)福島第一原発事故後に寄せられた消費者からの問い合わせの内容と、(2)食品汚染対策での政府への要望、(3)原料の調達先の切替えの有無の7項目。非回答は味の素、森永製菓、モンテローザの3社だった。

放射線測定検査を実施していないのは、ローソンなど6社。主な理由は「農畜産物、水道水、環境放射線量については行政が公表しているため新たな対応はなし」(江崎グリコ)、というもの。だが、その行政こそ、消費者が最も信頼していない機関だ。

放射性セシウムによる牛肉の汚染問題では、政府の検査体制が穴だらけで汚染牛肉が全国に広まった。7月末に農林水産省が発表した都道府県別の食品検査の実施状況では、3月19日から7月28日まで一度も検査をしていない自治体が14都県、100町村に上る。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事