2度と行くか!最低の焼き鳥店、ここで見抜け 近所の「あの店」、チェーン、居酒屋は大丈夫?

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河岸:焼き鳥をおいしく焼くには、肉のたんぱく質のうち、「ミオシン」だけを固めて、「アクチン」を固めない焼き方がいいの。それが食中毒を出さない、いちばんおいしい焼き方。両方固まるほど焼きすぎると、食中毒は出ないけど、おいしくもなくなるから。鶏肉の場合、そこが上手に焼けるのが炭火なんだ。

N君:なるほど。だから炭火、炭火というんですね。

河岸:ちなみに豆知識みたいになっちゃうけど、炭には2種類あるの知ってる?

N君:いや、知らないです……。

河岸:「黒炭」と「白炭」があって、茶道でお湯を鉄瓶で沸かすときに使うのが「黒炭」。一方、焼き鳥に使われるのは「白炭」で、その中でも最高品質と言われるのが「備長炭」なんだ。

N君:なるほど、それが「備長炭」ですか! 用途が違うわけですね。そういえば、某グルメ誌の「焼き鳥特集」で、「『黒炭』と『白炭』で焼いたら、焼き鳥はこんなに味が違う!」とやっていましたね。

河岸:いったい、どこの店が「黒炭」で焼いているのか、聞いてみたいところだね。まったく用途の違うもので焼いて「おいしくない!」なんて言っているのだから、グルメ雑誌というのも困ったもんだね。

炭火にしか出せない「2つの強み」とは?

河岸:あと炭火には、電気グリルでは絶対に出せない強みが2つあるの。

N君:なんですか、それは?

河岸:まずひとつ目として、焼き鳥を焼くと、肉の脂が下に落ちるよね。電気コンロで焼いたらそのままだけど、炭火の場合は、落ちた脂が煙となって、焼き鳥を燻煙(くんえん)する。

N君:燻煙?

河岸:「いぶす」といったほうがいいかな。煙でいぶされることによって、焼き鳥がなんともいえない香ばしさになる。電気ではこれは絶対出せない。

N君:なるほど。だから、炭火の焼き鳥は香りがいいんですね。

河岸:もうひとつは、炭火は七輪で焼くでしょう。この七輪から遠赤外線が出るの。この遠赤外線が、おいしさの決め手。表面を均一に上手に焼き上げてくれるから。

N君:だから焼き魚なんかでも七輪で焼くと、おいしいわけですか。

河岸:そのとおり。ところが炭火は、火の加減が難しいんだね。職人さんが修行して何年もかかる。第1回目の「カネ返せ!『人気焼き鳥チェーン店』を斬る」で行った焼き鳥店は炭火だったけど、全然、おいしくなかったよね。あんな下手な炭火で焼くぐらいなら、電気グリルで焼いたほうが、よっぽど温度が安定していて上手に焼ける。

N君:あの店も、職人さんみたいな人が焼いていましたけどね……。

河岸:どうかな。プロの職人は、あんな焼き方はしないよ。だって炭火は遠火で焼くのが基本なのに、あれは近すぎた。火から2~3センチだったよ。本来は10センチ以上離して焼かなきゃいけないのに。

N君:焼き鳥の専門店は炭火焼きが多いですよね? 炭火焼きでないところってあるんですか?

河岸:う~~ん、某有名チェーン店は電気グリルだね。あと個人の店なんかはわからない。オープンキッチンだったらのぞき込めるけどね。

N君:なるほど。「焼き方」も奥が深いですね。では、「頼み方」はどうですか? 一般論として、焼き鳥店に行って「頼むべき順番」ってあるんですか?

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