2度と行くか!最低の焼き鳥店、ここで見抜け 近所の「あの店」、チェーン、居酒屋は大丈夫?
N君:まず、おいしい焼き鳥の見分け方をまとめておきましょう。焼き鳥のおいしさは、肉の「2つの鮮度」が決め手ということでした。
河岸:そう、ひとつは「鶏肉を絞めてから食べるまでの時間」。絞めたあと12時間後から翌日くらいがいちばんおいしく、それ以上になると時間が経つほど味が落ちる。もうひとつは「肉の塊(かたまり)から切って串に刺してからの時間」。これも切って長く置いたものは「ドリップ」とともに味が抜けちゃうから。
N君:マグロの刺し身同様、「ドリップ」にこそおいしさが詰まっているんですよね。
河岸:そう。焼き鳥店なら「2つの鮮度」は、当然、押さえるべきなのに、この基本さえできていない店がどれだけ多いか。さばいてから数日経っている肉を平気で出したり、工場で串に刺して運んできて翌日店頭で焼いていたり。今回いろいろ食べ歩いてみて、私もこれにはあぜんとしたね。
N君:そして、論外の「冷凍焼き鳥」は、「ねぎまの『ねぎ』のシャキシャキ具合」に注目すれば、誰でもわかる、と。
河岸:そのとおり。冷凍ねぎまも増えてきたけど、ねぎはやっぱりごまかせないから。スーパーの焼き鳥バイキングで1本70円とかのものは、ほとんど「冷凍焼き鳥」だと思って間違いない。
N君:それぞれの違いはもう、食べ比べてみれば明らかでしたね。僕にもわかりました。特に輸入品を解凍したやつは固いし、肉の味がしない。
鶏肉の生食は絶対ダメ!「カンピロバクター」の恐怖
N君:「焼き方」はどうですか? 焼き鳥はよく「炭火焼きがおいしい」と言いますが。
河岸:肉のたんぱく質には、大まかに言って、「ミオシン」と「アクチン」の2つあるの。このうち「ミオシン」は50~60度、アクチンは60~70度ぐらいでタンパク変性を起こして固まる。これが両方固まってしまうと硬くなっちゃっておいしくないんだ。
N君:おおー、これまたプロっぽい情報ですね!
河岸:だからプロなんだってば(苦笑)。かといって、生焼けではダメで、中までしっかり火が通ってないといけない。
N君:鶏肉は「サルモネラ菌」がいる可能性があるんですよね。
河岸:サルモネラ菌だけでなく、「カンピロバクター(ジェジュニ/コリ)」がいる可能性が高いんだよ。
N君:「カンピロバクター食中毒は怖い」って話はよく聞きますよね……。なかには手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす「ギラン・バレー症候群」を発症することもあるといいますが……。女優の大原麗子さんがかかった病気として有名ですよね……。
河岸:そう。だから絶対に鶏肉の生食はダメなの。生焼けの鶏肉を出す店には、絶対に行ってはいけない。それはまずいうんぬん以前に、2度と行ってはいけない店。
N君:うん? ということは「鳥刺し」はダメってことですか?
河岸:「食中毒のリスクを承知で食べるかどうか」ということ。少なくとも、自分でリスクを選択できない小さな子どもには絶対に食べさせてはいけないと私は思う。ただ、「カンピロバクター」はきちんと加熱すれば死滅するから、むやみやたらに恐れる必要はないんだけどね。
N君:なるほど。それで、なぜ焼き鳥は「炭火」がおいしいのですか?
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