「配属ガチャ」を嘆く人と異動できる人の決定的差 米任天堂元社長の「チャンスを広げる働き方」
もちろん著者は最初からアメリカ任天堂の責任ある立場に就いていたわけですが、たとえ一社員であっても信念をもって働くことは重要です。時には強い思いを上司にぶつけ、上司の考えを変えようとするぐらいの気概は、どのような立場であっても持っていていいものではないでしょうか。
まず、目の前の仕事に全力で取り組む
では自分の仕事に対する信念とは何か。どのように醸成されるものなのか。ここで重要となるのが消極的・受動的ではなく積極的・能動的に仕事をするオーナーシップです。
たとえば、当社Grooves(グルーヴス)には、クレーム対応など人的サポートを担っているアルバイトがいるのですが、僕からはつねに「みなさんの仕事は、レストランで言えば料理をお客様のテーブルまで運ぶという非常に重要な仕事です」と伝えています。厨房でどれほどおいしい料理を作っても、それを運ぶ人がいなくてはお客様に喜んでいただくことはできません。
料理を作るシェフだけが偉いのではなく、料理をテーブルまで運ぶ人、丁寧にお皿を洗う人などなど、それぞれに立派な役割がある。同様に、クレームに対応して社内の間違いを正すことも当社に欠かせない立派な仕事であると理解したうえで、オーナーシップをもって全力で取り組んでほしいと思っています。
というのも僕自身、起業前に勤めていた会社で任されていた作業に全力投球した経験があるからです。それは傍から見れば本当に些末な雑務だったと思いますが、つねに十二分の出来になるよう、いろいろと工夫を凝らした。「しょせんは上司から与えられた雑務」と割り切って流れ作業でこなすのではなく、オーナーシップをもって取り組んだことが確実にチャンスにつながったという実感があります。
また、世の中には「本当は、あんな仕事がしたいのに」「本当は、こんなポストに就きたいのに」と現状に不満を抱える若手社員も多いようです。
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