任天堂復活のカギは「カルチャー」の変化にあり? 「縦割り構造」が会社にもたらす根深い問題

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コミュニケーション
周囲に知られないようダイレクトメッセージでやり取りせねばならない局面なんて、同じ組織内では基本的にないはずではないでしょうか(写真:8x10/PIXTA)
世界に冠たる日本企業でありながら、一時期、競合他社の後塵を拝していた任天堂。その起死回生の立役者のひとりとなったのが、『崖っぷちだったアメリカ任天堂を復活させた男』の著者レジー・フィサメィだ。
任天堂復活を支えたものとは何だったのか。「企業の強さの根源はカルチャーにあり」と考える起業家・経営者の池見幸浩氏が、本書を通じ改めて考察した「企業カルチャー論」を語る。

アメリカ任天堂から始まった「縦割り構造」打破

『崖っぷちだったアメリカ任天堂を復活させた男』では、セールス&マーケティングのEVP(エグゼクティブ・バイス・プレジデント)としてアメリカ任天堂に迎えられた著者が、部下たちとコミュニケーションを図りながら、同社のカルチャーにまでテコ入れする様が語られています

『崖っぷちだったアメリカ任天堂を復活させた男』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

僕も「企業の強みの根源はカルチャーにある」と考えているため、その点でも非常に共感できました。

本書によると、当時、任天堂にはアジア統括する子会社(NCL)、ヨーロッパを統括する子会社(NOE)、アメリカを統括する子会社(NOA=アメリカ任天堂)があり、地域間で競っていたために成功事例などを共有するカルチャーがありませんでした。

みな任天堂という大家族の一員であるにもかかわらず、互いに競い合うばかりで分断され、有益な情報共有が行われていない。グループ全体として考えれば、これが大きなボトルネックになっていたことは想像にかたくありません。

そんな縦割りカルチャーに、アメリカ任天堂という最大子会社から風穴をあけたのが著者でした。

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