任天堂復活のカギは「カルチャー」の変化にあり? 「縦割り構造」が会社にもたらす根深い問題
他の地域から学び、成功につながったアイデアは取り入れる一方、同じ失敗は避ける。信頼感に基づく対話を促すために、個人間の人間関係を重視する。プロジェクトごとに特に功績の大きかったスタッフには労いのメッセージを書いたカードを贈り、彼ら・彼女らのさらなる意欲向上を図る。こうした著者の信念と地道な実践により、徐々にアメリカ任天堂はフラットな組織へと変わっていったと言います。
情報の透明化がセレンディピティを生む
手前味噌になりますが、当社Grooves(グルーヴス)でも「オープン&フラット」というバリューを体現する行動指針をカルチャーとして根付かせる試みをしています。
「オープン&フラット」というバリューを体現する行動指針は、「情報の透明化と積極的な共有」。そのためにSlackというチャットサービス上で行われるコミュニケーションは、クローズドなダイレクトメッセージではなく、平均で90%以上をオープンなチャンネルで行うように仕組み化しています。すると、リアルタイムでコミュニケーションに参加していなかった人でも、たとえば「あのプロジェクトはどうなってるんだろう」「参考にしたい」と思ったら、Slack内のキーワード検索ひとつで必要な情報にアクセスできます。
会社を1つの船と捉えれば、個人間、チーム間、セクション間の情報共有は、目標達成という目的地へと安全に航海していくために必要不可欠です。他のチームが体験していることが、自分のチームに役立つこともあるでしょう。
まさに本書の中でも述べられているように、他の地域(チームやセクション)から学び、成功につながったアイデアは取り入れる一方、同じ失敗は避ける。セクショナリズム的な縦割り構造に邪魔されない、全社的な情報共有あってこそ、それが可能になるのです。
すべてのコミュニケーションをオープンにすることに抵抗を感じる人もいるかもしれません。しかし、そもそも会社とは仕事をする場所、全員で知恵や力を出し合って組織の目標を達成していく場所です。
ならば、「プロジェクトの相談」から「今日、ランチ一緒に行かない?」「ちょっと休憩室で一息入れてきます」といった連絡まで、できる限り情報はオープンになっていたほうがいい。周囲に知られないようダイレクトメッセージでやり取りせねばならない局面なんて、同じ組織内では基本的にないはずではないでしょうか。
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