ハングリーであれ、愚かであれ。 スティーブ・ジョブズ 最強脳は不合理に働く 竹内一正著 ~諦めないことの大切さをジョブズを例に教える

ハングリーであれ、愚かであれ。 スティーブ・ジョブズ 最強脳は不合理に働く 竹内一正著 ~諦めないことの大切さをジョブズを例に教える

評者 中沢孝夫 福井県立大学特任教授

妥協しないで、目標に向かって努力することの大切さを、改めて教えてくれる。

アップルを創業し、かつ再生させたスティーブ・ジョブズはスタンフォード大学の講演で三つの話をしたという。一つは大学を中退する直前に偶然、履修した「装飾文字」の授業のこと。次に自分が作ったアップル社をクビになったこと。そしてもう一つが膵臓ガンを経験して意識した「死」について、である。それぞれがジョブズを成長させた原因としてつながっている。

そのうえで「君たちの時間は限られている。他人の人生を生きてはいけない」と語りかけている。

ジョブズは天才である。将来への夢あるいは計画に夢中になり、心配事や危険といった感情は押しのけられてしまう。マックの誕生もそうだったが、世界中を興奮のるつぼにたたき込んだアイフォーンはぶっちぎりにすばらしい。しかしその誕生までの歩みの陰に、なんと多くの「傷ついた人々」がいることか。

若き日のジョブズは「常軌を逸した気まぐれで無責任」な人間であり、他人を「自分の策略の片棒を担がせる道具」としか思っていなかった。それがアップルを追い出されてネクストを立ち上げてからずいぶんと変わった。人間にはやはり失敗と苦労が必要だ。

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