行列のできる「かき氷」店が真夏に店を閉めたワケ 「さすがに抵抗があったが限界も感じていて」

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当初は不慣れということもあって、あまり乗り気ではありませんでした。初めてゆえに予想のつかないことだらけで、オペレーションをどう保っていいのかわからず不安だったのです。

でも、考えているだけではしかたがない。チャレンジしてみようと決めました。

「行列ができる店」の苦悩

催事が店の運営に大きな変化をもたらしたのは、2019年のことです。

2016年から催事に参加していた藤沢のデパートで、真夏の催事をお引き受けするため、鵠沼の店を閉めるという決断をしました。

かき氷屋なのに夏に店を閉めるというのはさすがに抵抗がありましたが、実はこの頃、真夏に鵠沼で営業をすることに限界を感じ始めてもいました。

店舗の写真
小田急江ノ島線・鵠沼海岸駅からほど近い住宅地にある埜庵(出所:『一年じゅうかき氷の店 埜庵の20年 絶品シロップレシピつき』)

「待ち時間が長い」と噂になると、お客さまはどんどん来店時間が早くなる。埜庵があるのはふつうの住宅街です。店の前に人だかりができれば、当然まわりに迷惑がかかるし、かといって並ぶ場所の不足など、物理的な問題は解決しようもありません。

当時は、忙しいときは整理券を配っていました。1時間を4つに区切って、15分ごとに6組ずつご案内するというものです。一日にご案内するのは200組、もしくは400人ほどで、どちらかに達すればその日の分は終了。

行列してもらえば500人以上ご案内できるのですが、整理券にすることで毎日100人以上のお客さまを失ってしまうわけです。

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