インバウンド増えても大変「外食業界」苦悩の訳 コロナ禍前から圧倒的に変わったことは何か

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生産年齢人口もこれと並行して減っており、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると 2030年には6773万人、そして2060年には4418万人まで減少するとみられている。

もともと外食業界では、コロナ禍前から人手不足が深刻だった。特に正社員の採用に関しては、新卒からも中途からも積極的に選ばれていない。そこに追い討ちをかけるように、現在、アルバイト先としての人気も著しく低下。ここ数年は、1回の求人広告の掲載では面接に誰も来ないことも目立つ。

その大きな原因が時給だ。現在、東京都や神奈川県、埼玉県など8都府県に関しては、最低時給が1000円を超えている。多くの飲食店がそれを上回る金額で募集をかけているが、他の業界ではそれ以上に時給を上げているケースが多く、飲食店の人手不足が常態化してしまっている。結果、営業時間を短縮したり、定休日を増やしたりする飲食店はめずらしくない。

利益圧迫要因が増え続けている

これに伴って人件費も高騰。加えて、原材料費の価格も高騰しており、飲食店の経営を圧迫している。小麦粉や食用油など、日常的に使用するものも多く含まれているため、これまでと同じやり方では利益が残らなくなっているのだ。

飲食店は利益率が10%もあれば優秀で、どんなにがんばっても5%がやっとだという飲食店も多い。その数字を達成するにも、「FLR」という3つのコストをコントロールする必要がある。

FはFood(原材料費)、LはLabor(人件費)、RはRent(家賃)を指していて、一般的な飲食店の場合、FLRコスト比率は70%だ。そのうちFとLが高騰しているため、Rでコントロールしないといけないが、コロナ禍以降、家賃の高騰も続く。そのほかにも、光熱費が値上がりしていたり、クレジットカードの手数料が占める割合が増えたりと、利益を圧迫する事象が山積している。

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