発売から1年「インプレッサ」の販売が低調なワケ 兄弟車「クロストレック」もいいクルマだが…

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パワートレインも、縦置きの水平対向エンジンにCVTという組み合わせが基本だ。ハードウェアの数を少なくして、コスパよく複数のモデルを用意しているといえる。

そうしたクルマの作り方のため、1つのハードウェアを改良すると、次のモデルにも改良版のハードウェアが引き継がれる。すべてのモデルに連続性があり、メカニズムは確実に磨き上げられることになる。

水平対向エンジン+シンメトリカルAWDはスバルの主要車種に共通する(写真:SUBARU)
水平対向エンジン+シンメトリカルAWDはスバルの主要車種に共通する(写真:SUBARU)

しかも、毎年のように熱心に改良を続けるため、どこかのスポーツカーメーカーではないけれど「最新のスバルは最高のスバル」というようなクルマとなっているのだ。

そういう意味で現在、販売されているスバル車の中で最新のモデルとなる、インプレッサとクロストレックの兄弟は、もっとも熟成され、もっとも進んだスバル車と言えるのだ。実際に乗ってみると、デキのいいクルマであることがわかる。

しかし、結果が今ひとつというのも事実。その理由は何だろうか。

技術的フラッグシップ「レヴォーグ」の存在

個人的に思うのは、先代となる5代目モデルの登場が、“あまりに鮮烈すぎた”ということだ。しかも、先述のように、このモデルはよく売れた。

ちなみに、先々代となる4代目は、2011年にデビューして、翌2012年の販売は5万2017台だった。現行の3万4379台よりは多いけれど、7万台を超えた先代にはかなわない。

4代目インプレッサは新世代BOXERエンジンFB20と新リニアトロニックCVTを搭載して登場(写真:SUBARU)
4代目インプレッサは新世代BOXERエンジンFB20と新リニアトロニックCVTを搭載して登場(写真:SUBARU)

なぜ、先代モデルは売れたのか。その理由は、内容にある。先代のインプレッサは、SGPをはじめ“スバル初”をうたう新技術を数多く採用していた。

初めて先代モデルに試乗したときは、その進化の大きさに驚かされ、“スバルでもっとも進んだクルマ”だと強く感じたものだ。そうした驚きが輝きとなって、ヒットにつながったのではないだろうかと考える。

ところが、現在のインプレッサは、そうした驚きをもたらす存在ではなくなった。その役を担うのは、スバルが”技術的フラッグシップ”と呼ぶ、レヴォーグだ。

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