発売から1年「インプレッサ」の販売が低調なワケ 兄弟車「クロストレック」もいいクルマだが…

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インプレッサとクロストレックはボディカラーやインテリア素材でも差別化される(写真:SUBARU)
インプレッサとクロストレックはボディカラーやインテリア素材でも差別化される(写真:SUBARU)

このクロストレックとインプレッサをスバルは、“高い安全性能と動的質感を兼ね備えたSUBARUラインナップのスタンダードモデル”と説明する。基本的なコンセプトは旧型からの踏襲となり、その特徴は他のスバル車と同様に、“走って愉しく、そして高い安全性を持つ”ことにある。

メカニズムとしては、SGP(スバルグローバルプラットフォーム)に2.0リッター水平対向4気筒エンジンを縦置きする4WD(スバルはAWDと表記する)だ。

ボディ生産時、最初に箱型に組み上げるフルインナーフレーム構造を採用し、先進運転支援システム(ADAS)にはステレオカメラの「アイサイト」の最新版を採用。特に単眼カメラを追加し“3眼化”しているのが技術的なトピックだ。

従来のステレオカメラの間に単眼カメラが追加されたアイサイトのカメラシステム(写真:SUBARU)
従来のステレオカメラの間に単眼カメラが追加されたアイサイトのカメラシステム(写真:SUBARU)

デザインでは「BOLDER」という新コンセプトが用いられた。従来よりも、より塊感を強くしたデザインと言える。名称的に2台は別車種の扱いとなっているけれど、従来と同じように兄弟車という成り立ちは変わらない。

販売台数は先代の半分!?

では、この2台、発売1年の販売成績はどうだったのか。

先の自販連によると、2023年暦年(1月~12月)の数字は3万4371台で、前年比149.2%。2023年度(2023年4月~2024年3月)の成績は3万4379台で、前年比129.6%だった。

インプレッサが前年比プラスになるのは2017年以来で、それだけを見ればうれしい結果ではあるが、新車効果で前年比プラスになるのは当然とも言える。

よくよく見てみれば、価格発表時に掲げた月販目標の1年分(2台合わせて5万400台)には届いていない。ちなみに先代の5代目インプレッサは、2016年10月に発売開始になり、翌2017年は7万3171台と、現行モデルの2倍も売れていた。

5代目インプレッサ。この世代まではセダンのインプレッサG4もラインナップしていた(写真:SUBARU)
5代目インプレッサ。この世代まではセダンのインプレッサG4もラインナップしていた(写真:SUBARU)

そうした数字を知ってしまうと、現行モデルの成績は、“少々厳しい”というのが正直なところだ。

とはいえ、筆者は現行インプレッサとクロストレックのデキが悪いとは思わない。スバルは、この2台のほか、「WRX」「レヴォーグ」「フォレスター」「レガシィ」といった主力モデルを、基本的に同じプラットフォームを使って作り分けている。

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