プレーヤーで一流でも上司として三流の人の特徴 マイクロマネジメントは部下を萎えさせる最悪の打ち手
この上司が厄介なのは、プレーヤーとしては一流の人が多いこと。だから部下にも自分と同じ高いレベルを求めます。部下が作成した資料も「フォーマットが気に入らない」「これは円グラフでなく、棒グラフだろ?」など細かく口を出します。
自分では部下を教育するつもりでも、ミスの指摘ばかりで、ほめないので、部下はモチベーションが下がり、うんざりします。つまりプレーヤーとしては一流でも管理者として三流なんです。
過去の自分の姿と重なり不安になる
原因は大きくはふたつ。「不安」と「自己顕示欲」です。ひとつめの「不安」が強い場合は、「部下の失敗が自分の責任になる」と考え、すべてを管理し、安心したいんです。
若手社員の姿が、要領の悪かった過去の自分の姿と重なるとさらにチェックが厳しくなります。これは、心理学では投影と呼ばれます。自分に似ていれば似ているほど口うるさくなっちゃうんです。
ふたつめの原因は自己顕示欲です。自分が管理者だと周りに知らしめたいんです。やり方を強要することで「自分のやり方で指導したから、成功した」と周りにも認めさせたいのです。
このタイプは、些細なことで自分の席に部下を呼び出します。心理学でも縄張り意識の強い人は自分の席に呼びつけ、そうでない人は相手の席に出向くとされています。
マイクロマネジメントは新入社員時代の短期間なら効果がありますが、長期的には部下の自主性やモチベーションを奪う監視行為になり、過剰に続けばハラスメントに発展し、離職の原因にもなりかねません。
心理学では、「批判する」「責める」「文句を言う」「ガミガミ言う」「脅す」「罰する」「褒美で釣る」は外的コントロールといいます。即効性があり、すぐに相手の行動を変化させられますが、怒られるという「恐れ」が動機なので長続きしません。
一方、内的コントロールは「傾聴する」「支援する」「励ます」「尊敬する」「信頼する」「受容する」「意見の違いを交渉する」ことです。この人のためにがんばろうという「安心」や「愛」が動機なので、モチベーション高く主体的に部下が行動します。
マイクロマネジメント上司がやっているのは、外的コントロールなので、部下が恐れを抱き、人間関係を破壊し、離職者を生む悪手なのです。
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