あのクラフトビールは、ここまでやっている 和食ブームで世界の食通が注目
――最近よく聞くクラフトビールですが、「いまさら聞くのも恥ずかしい……」という方のために、まずはどういったものをクラフトビールと呼ぶのか教えてください。
実はクラフトビールには明確な定義はありません。あえて言うならば、小規模の醸造所で職人が手工芸品的に作っているビールのことを指します。日本で広く知られている「ピルスナー」のほかに、「ペールエール」「ヴァイツェン」「IPA(アイピーエー)」「スタウト」など、ビールにはさまざまな種類があり、造られるブルワリー(醸造所)によって、生産スケールも掲げるコンセプトも違うんです。
職人が丹精込めて造ったビールは美味しい
たとえば、私たち「COEDOビール」は、“Beer Beautiful”をブランドコンセプトに、さつまいもを原料にした「紅赤」をはじめとした、さまざまな“ジャパニーズビール”を国内外に出荷しています。日本各地にあるブルワリーそれぞれのバラエティに富んだビールが楽しめるのも、クラフトビールの醍醐味です。
――クラフトビールブームでさまざまなビールが出ていますが、その中でも「COEDOビール」の人気が高いのはどうしてだと思いますか?
まず、最近クラフトビール自体が注目されるようになったのは、単純に「美味しいから」だと思います。20年ほど前に酒税法が改正されて、小規模でのビール造りが可能になったときに起こったのが“地ビールブーム”ですが、あれは「地域経済を活性化させよう!」という行政の施策で、ビール造りを知る人が誰もいないのに、見よう見まねで造りはじめてしまったところが多かったんです。それでは美味しいビールはできないですから、一過性のブームになるのは当然です。
その点がクラフトビールとは違います。例えば、パティシエはもともとお菓子が好きな人が学校に通ったり、修行をしたりした後にお店を開きますよね。ビールも同じことで、おいしいビールを造るには、それなりの時間や手間がかかります。今はどこの醸造所でも、ビール造りを学んだ職人が熱意を持ってビール造りに取り組んでいるので、美味しいんです。