あのクラフトビールは、ここまでやっている 和食ブームで世界の食通が注目

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左から定番の「紅赤」「瑠璃」「伽羅」「漆黒」「白」。素材と製法によって、色も味も香りもまるで違う

クラフトビールの美味しさは、職人たちの努力の結果です。私たちはそもそも「ビール造りは甘くない」と考えていたので、ドイツからブラウマイスターを招いて製法や文化を学び、5年かけて職人を育成しました。それが、「COEDOビール」がブームが去っても生き残ることができた理由かもしれません。

世界で“和食に合うビール”が求められている

――最近では海外でもとても人気があるそうですね。

そうなんです。最近は、“和食”が無形文化遺産に登録され、世界で認められるようになりました。それと同時に和食に合うビールも求められていて、「COEDOビール」を選んでくれる方々が多いようです。私たちも和食に合うビールを提供したいと思っているので、それはとても嬉しいです。

和食に合うビールに求められるのは「繊細さ」だと思います。海外で「COEDOビール」は、雑味がないキレイな味わいだと評価していただくことが多いです。IPAといった、苦味や香りのインパクトがあってこそ美味しい、アメリカらしいビールも、日本の職人が作るとインパクトがありつつも繊細なビールになる。そういった「日本ならでは」の味わいも期待されているところかもしれません。

――その他にも「COEDOビール」が人気のワケ、ありますか?

2006年に「小江戸ビール」から「COEDOビール」にリブランディングしたのですが、このときから地ビールではなくクラフトビールというコンセプトを意識して提唱してきました。

それまでの「小江戸ビール」は、地ビールのイメージが強くて、なんというか……お土産物的で「ダサい」と思われてしまっていたんです。私たちが本拠地を置く埼玉県も「ダサい」と言われていた時代があったので、まずビール造りやクラフトマンシップの素晴らしさを知っていただくために、「ダサい」というイメージをなくす必要があったんです。

美味しいものにこだわる人たちに認めてもらうために、デザインやブランドコンセプトは、スタイリッシュで都会的なイメージにこだわりました。でも、欧米のまねをするのではなく、ネーミングに「瑠璃」「紅赤」「伽羅」「白」「漆黒」といった「日本の伝統色」を取り入れるなど、「日本のビール」であることは忘れないようにはしていました。

そもそも僕は生まれも川越で、健全な郷土愛でビール造りに取り組んでいるところがあるので、埼玉県も地ビールもこれ以上「ダサい」と言われたくなかったんです。その気持ちがバネになって、リブランディングが上手くいったのかもしれません(笑)。

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