これまで筆者が取材してきた多くの人たち、どこに住もうかと悩む会社員も、不動産会社の社員でさえも、乱暴に言えば9割以上は同じ「住宅思考回路」を持っていた。
たとえば冒頭で触れた「古き良き山の手(地盤強固)vs. 新興の湾岸(埋め立て地で地盤軟弱)」というように、誰でも思いつくテーマを軸に、不動産業界の意に従うようなストーリーを展開してきた。
結論を言えば、9割以上の人は、そうした「不動産目隠し」(住宅マインドコントロール)を外すことができていない。
これはマスコミにも多くの責任があり、ステレオタイプの不動産情報が優先的に流されてきたからだ。
古い「不動産目隠し」を取り払えるかどうかがカギに
しかし、そこにこそ、これからの不動産市場の勝機がある。
筆者はこれまでも「目隠し」を外すための挑発的な著書を書いてきた。
また、不動産に限らず、「資産家の多くは過去の高度経済成長をフル活用した高齢者である」という世代会計事情も書いてきた。世代会計と不動産は実は直結しており、現在55歳以下の「ロスジェネ」(就職氷河期世代)は、上の世代に搾り取られる「全損世代」といえる。
このままあらゆることを目隠しされたままでは、面白くない。
住宅観のビッグバンを先読みし、マクロ視点で本物を見抜く目を持とうとする者だけが不動産の勝者になれる。
そういう時代が始まっているのだ。
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