注意!子どもが発する「メンタル不調」のサイン 何かいつもと違う「心・身体・行動」を見逃すな

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こういった「いつものその人ではない」という違いがわかるためには、普段の自分、普段の友達、保護者・教師やコーチなら普段の子どもたちの行動をよく観察して、知っておくことが大切です。

その意味では、「ルーティーン」はメンタルヘルスケアとして有用です。学校では、朝に校門の前であいさつ運動をしていたり、毎朝のホームルームなどで出席をとります。経験豊富な先生は、朝の返事一つで子どもの変化に気づくという話を聞きます。

いつも同じタイミングで同じことをするというルーティーンの中で、観察の意識を加えると「いつものその人ではない」という変化、不調のサインに気がつくことができるかもしれません。

「保健室の先生」は子どもの不調に気づきやすい

私の実感として、学校の先生の中では、養護教諭、いわゆる保健室の先生が、子どもたちの不調に気づくことに長けている方が多いように思います。身体の不調で保健室を訪れた子のメンタルヘルス不調やその前兆に気がつく。

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身体の不調を切符に、心について安心して相談できる、ケアを施してくれる存在として保健室の先生が学校にいらっしゃることは、子どもたちにとって、とても大きなことだと思っています。

スポーツ現場でも同じような存在がいます。マッサージ等を行うアスレティックトレーナーです。シーズン前の合宿の終盤、代表選考合宿の終盤になると、レギュラー選手になるかどうかのボーダーラインにいる選手たちがよくマッサージを受けに現れるそうです。

こういった子どもを取り巻く、いろいろな立場の人との連携は欠かせません。子どもがサインを発したり、不調を訴えたりしやすい立場の人と言えば、例えば、出場の選考にそこまで大きく関わらない副顧問などの先生、マネージャー、場合によってはOB・OGが考えられます。

小塩 靖崇 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所常勤研究員

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おじお やすたか / Yasutaka Ojio

1987年、岐阜県生まれ。三重大学医学部看護学科を卒業。病院での臨床を経た後、東京大学大学院教育学研究科にて博士号(教育学)を取得。健康教育学が専門。2017年から国立精神・神経医療研究センターにて、若者のメンタルヘルス教育と研究に従事。学校やスポーツでのメンタルヘルス教育プログラムの開発や学校教員向けの教科書執筆に携わっている。アスリートとの協働で進めるメンタルヘルス啓発プロジェクト(よわいはつよいプロジェクト)について研究の観点から関わっている。

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