「心の病もたらす」現代人を蝕む4つのストレス 「ネガティブな想像力」をかきたててしまう

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ストレスがまったくない人がいないように、心の病の種をひとつも持っていない人もいません。いろいろな種がありますが、誰もが何かしらの種を持っています。

昔は、心の病は特定の人だけが発症する病で忌み嫌われるところがありました。家族が発症すると、その事実を知られないように隠すことさえあったほどです。

しかし、心の病の種を持つ私たちは、誰でも発症する可能性があります。
統合失調症の種となるのは、職場や学校などの集団社会の中で存在を脅かされる経験を重ねることで生まれる「被害心」や「脅威心」です。

「発症するか、しないか」の違いでしかない

みなさんには、誰かの言動に傷ついたり、裏切られたり、結果が出なくてビクビクしたりした経験はありませんか。そういう経験が多い人は、心の病を発症していなくても、不安心の中に、統合失調症の種があるということです。

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持っている種は、ひとつの心の病だけとは限りません。うつ病の種も、統合失調症の種も、パニック障害の種も、併せ持つ人はいます。

私の患者さんの場合でも、複数の心の病を発症することはよくあります。パニック障害の患者さんにうつ病の症状があったり、逆に、うつ病の患者さんにパニック発作が起きたり……。

どうして複数の心の病が併存するのかというと、発症のしくみはどの心の病も同じだからです。

病の種を複数持っている人は、その種のどれかが症状として現れると、他の種の症状が現れるリスクもあるということです。

心の病の種は、多かれ少なかれ誰にでもあります。心の病に悩まされる人とそうでない人がいるのは、発症するか、しないかの違いだけなのです。

広岡 清伸 精神科医

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ひろおか きよのぶ / Kiyonobu Hirooka

精神科専門医、指導医、精神保健指定医。広岡クリニック理事長。富山県高岡市出身、早稲田大学中退、日本大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院研修医、堀ノ内病院、関東労災病院などを経て1992年に横浜市港北区に広岡クリニックを開設。患者の目線に立って治療する独自の「肯定的体験療法」が評判を呼ぶ。今まで診察してきた患者は1万人を超える。著書に『日本の臨床現場で専門医が創る図解精神療法』(鳥影社)、『広岡式こころの病の治し方』(日経BP社)などがある。

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