「心の病もたらす」現代人を蝕む4つのストレス 「ネガティブな想像力」をかきたててしまう

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自分の心の状態がストレス源になることもあります。

患者さんの多くは、心の病の症状がいちばんのストレスだと口にします。心の病が、さらに不安心を大きくしているのです。

心の病でなくても、たとえば憂鬱でやる気が起きない日が続いたり、家族に怒りっぽくなっている自分に気づいたりすると、ストレスになります。記憶力や判断力などが低下してパフォーマンスが落ちると自分が許せなくなります。

体の状態が悪くなっても、やはりストレスになります。

いままでできていたことができなくなる、時間がかかるようになるとストレスになるし、痛みが続いたり、だるさが続いたりすると気分が落ち込みます。

こうしてみていくと、心の病にならないのが不思議なくらいに、私たちのまわりはストレスだらけです。だからこそ、心の病は「生活者の病」と言われるのです。

「不安の積み木」の重なりが生む「心の病の種」

不安心は、さまざまなストレスを受け、ネガティブな記憶が積み重なっていくことで大きくなります。そのイメージから、私は「不安の積み木」と呼んでいます。

そして、積み木が重なっていく過程で、心の病につながる「心の病の種」が生まれます。心の病の種とは具体的にどういうものなのか。たとえば、「劣等心」などがそれに当たります。

誰かと比べて自分は劣っていると感じる経験は、誰にでもあると思います。それが何度もくり返されることでつくられるのが病の種です。劣等心の種があると、うつ病を発症することがあります。どういった種が生まれるかは、環境や体質、経験などによって人それぞれ異なり、その違いが症状の違いとして現れます。

しくみは同じでも、ある人はうつ病、ある人は統合失調症、ある人はパニック障害などと発症する心の病が異なるのは、不安心につくられる種の違いにあるのです。

(出所:『心の病になった人とその家族が最初に読む本』より)
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