「水卜アナ出世に憧れない若手」意外と多い"なぜ" "日テレの象徴"とされるが後には続かない?

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女子アナは“あっち側”にされがちな職種だ。

水卜が学生時代にミスキャンパスのような目立った経歴がないことは後述するが、それを抜きにしても、前述の若林や、恵まれた側への嫉妬心を芸風のひとつにしてきた南海キャンディーズの山里亮太らの、“人を見る目”をくぐり抜け、“こっち側”認定されたのは特筆に値するだろう。

もちろん、若林や山里のみならず、番組内で水卜に心を許しているように見える芸人は多く存在する。

ただ、女子アナ志望の彼女たちにとっては、“芸人にハマるかどうか”は大きな不確定要素である。正直、普段、面接練習や原稿読みの練習をしている彼女たちには、想像もつかない範囲だろう。

だが、その不確定要素が、局アナとしてキャラをどれだけ出せるか、その果てにはどれくらい人気が出るか、に繋がってくることを敏感に感じ取っており、それが不安の一因になっているのではないだろうか。

女性局アナ史上、最長の距離を走った

具体的な意見を2つ紹介した。1つめの意見を抽象化するなら「局内の評価の基準がわからない」、2つめの意見は「人気の出る方法がわからない」ということだろう。

“局内でどう評価されているのか”も“共演する芸人にどう気に入られるか”もブラックボックスの中にある。だが、それぞれが出世と人気に繋がっていることだけはわかる。

そしてさらに難しくしているのは、人気と出世が完全な相関関係にはないということだ。

水卜麻美の人気の理由をあとづけで分析するならば、当意即妙な返しができバラエティにも対応できるかと思えば、真面目な番組でもアナウンスメント力が感じられ信頼感がある。さらに食べる姿をはじめ、お高く止まっていない姿が主婦層にも好感をもって受け入れられる……などいくつも挙げることができるだろう。

だが、それらが出世の理由になっているかといえば、完全にイコールではないだろう。もっと言えば、人気はあるが出世しなかった女子アナには、他局も含めて多く例がある。

出世と人気――。人気者であるから出世するわけでもない。出世するから人気者になれるわけでもない。

そして、いまやその2つを得た水卜麻美だが、入社当時はそのどちらも持ち合わせていなかった。水卜は「日テレには『拾ってもらった』という思いがあるので、会社に対して妙に恩義を感じてしまう」(『週刊朝日』2014年11月28日号)と語り、テレビ朝日やTBSなど3つの局に落ちたことを明かしている。

当時は、ミス慶應コンテストに出場しフジテレビに入社した細貝沙羅などのほうが女子アナ受験戦線の中では注目株で、ミスキャンパスなど学生時代に目立った活動のなかった水卜の存在は、完全なダークホースだった。

筆者も当時、受験生からの「地味な雰囲気の子がなぜか日テレに内定している」という噂で水卜の存在を知ったほどだった。

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