意外と知らない「1/3で割る」の"意味"を納得解説 「分数の割り算」を根本からきちんと理解する

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100mlで3gの砂糖が入った3%の砂糖水と、100mlで5gの砂糖が入った5%の砂糖水を混ぜたら、200mlの砂糖水ができます。この砂糖水に入っている砂糖は「3g+5g=8g」ですから、8÷200=0.04で4%の砂糖水ができるだけです。当然、100%カルピスを2つ混ぜても、100%カルピスしかできません。

%とは、「100に対していくつに当たるか」という割合のことであり、先ほどの「1当たり」が「100当たり」になったものです。ですから先ほどの割り算の考え方がわかっていないと、これも間違えてしまいます。

たとえば、「3%の砂糖水」とはどういう意味でしょうか? 計算式で書くと、「3g÷100ml」となります。

ですから、先ほどの感覚でいくと「1ml当たり、どれくらいの砂糖が入っているのか」ということですね。で、「100ml当たり3g」なので、3gを1/100にして、「1ml当たり、0.03g」となります。

「100%のカルピス」ではどうでしょうか? これはカルピスの原液100mlと作られたカルピスの量が同じだと解釈できますから、「100ml÷100ml」、つまり「1mlあたり、1ml」のカルピスとなります。

これを2つ混ぜるということは、「(100ml+100ml)÷(100ml+100ml)=200ml÷200ml」となります。「200ml当たり200ml」であるということは、1mlあたりはどうでしょう? 

2mlにはなりませんよね。「1ml当たり1ml」となります。ですから、割合としては「100%」で、変わっていないのです。

大人にとっても「割合」は必修科目

いかがでしょうか? 大人になってからも、「割合」を使って物事を考えなければならないタイミングはとても多いです。

「○○率」という言葉はだいたい割合のことを示していて、「打率」だったら「1打席当たりに、ヒットの数はどれくらいか」という考え方です。「成功率」だったら「1回の挑戦当たりに、成功の数はどれくらいか」という考え方です。

割り算をわかっていないと、こうした「率」に対して誤解してしまい、失敗してしまうことがあるかもしれません。みなさんぜひ、ここで理解していただければと思います。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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