最近の学生はとてもしっかりしている
5月はキャンパスに落ち着きが生まれる季節だ。4月になると、「四月病」と揶揄したくなるほど多くの出席者で講義はにぎわうが、ほどなくして「五月病」の季節が訪れ、出席者はそれなりの数に落ち着いていく。
ただ、最近の学生は、とてもしっかりしている。多少の増減はあるものの、基本的に授業の参加者数は安定している。感心させられるが、そんな学生たちを見るにつけ、「不まじめでまじめ」だった自分の大学生時代を思いだす。
「不まじめ」は私のひねくれた性格が原因だ。講義で先生の話を聞けば聞くほど、頭のなかが疑問でいっぱいになった。なんとか理解しようとがんばるが、授業はどんどん進み、気づくと私は置いてきぼりになっていた。
ミクロ経済学の講義だった。先生は授業の最初で「希少な資源を……」と言われた。すると、世の中にはモノがあふれかえっているではないか、と考えはじめ、そこで思考はストップしてしまう。
子どものころ、「あと30年で石油はなくなるのよ、だから無駄使いはやめなさい」と母に言われていたが、大学に入ったら石油の可採年数は45年に増えていた。私の感覚は、経済学の前提と大きく異なっており、そこでまずつまずいた。
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