「中国男性を褒めるロシア女性」動画バズる背景 中国人のプライドくすぐるフェイク動画の正体
AI技術は急速に進歩し、一般の人々にとっても非常にアクセスしやすいものになってきている。そのため、人工的に生成された動画は販売戦略としてますます一般的になる可能性が高い、とサンタクララ大学の教授でAIガバナンスを研究するハイビン・ルーは指摘する。
フェイク動画作成者と被害者が取材に語ったこと
ニューヨーク・タイムズが、ザライのフェイク動画を上げていたドウインのアカウントに連絡を取ったところ、アカウントの所有者は自分が動画を作成したと音声メッセージで認めた。「音声、動画、口(の動き)の3つを設定するんだ。どんな動画だってつくれる」。この男性はそう述べた後、記者を「友達」から削除した。
捏造の洗練度合いにはばらつきがある。フェイク女性の中には、ゲーム「ザ・シムズ」に毛が生えたレベルというか、完全にコンピューターで生成されたように見えるものもあれば、ロイエクに似た女性が登場する動画のように、非常によくできたものもある。
「自分ではないとわかっていても、リアルさが怖かった」。ロイエクは最近、30を超える中国のSNSアカウントが自分の画像を勝手に利用していたことを知った。
「自分のYouTubeチャンネルをつくろうと決めたとき、ディープフェイクの危険性は認識していたけれど、そういうのは有名な政治家とか芸能人の問題だと思っていた。今では、ネット上に自分の映像が出ている人なら誰でも被害に遭う可能性があることがわかる」
ロイエクは小紅書の問題アカウントを報告し、自身の経験についてのYouTube動画を制作。最終的に、ロイエクのフェイク動画を使ったプロフィールのほとんどは閉鎖された。
(執筆:Vivian Wang記者、Siyi Zhao記者)
(C)2024 The New York Times
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