このようなiPadの用途を踏まえ、iPad Pro(M4)では超広角カメラの代わりに、新たな機能が搭載されている。それが、「アダプティブTrue Toneフラッシュ」だ。これは、被写体が自然に明るく写るよう、フラッシュを自動で調整する機能のこと。メモアプリで、書類を撮影するときのための機能だ。
iPadは本体サイズが大きいため、真上から書類をカメラでスキャンしようとすると、どうしても光量が少なくなってしまう。iPad自身が、光をさえぎってしまうためだ。一方で、通常のフラッシュを使って撮影すると、光が強くなりすぎて書類が不自然になってしまう。アダプティブTrue Toneフラッシュは、こうした問題を解決するために導入されたものになる。
と言っても、利用方法はとても簡単。まず、メモアプリを起動して新規メモを作成する。画面上部にカメラのアイコンがあるので、ここをタップし、表示されたメニューから「書類をスキャン」を選択する。
すると、カメラが立ち上がるので、あとは保存したい書類を画面上に表示するだけだ。通常のカメラアプリとは異なり、シャッターボタンを押す必要もない。
この手順で撮影すると、アダプティブTrue Toneフラッシュが自動でオンになっている。
筆者が試したシチュエーションは室内、かつ机の上だったが、フラッシュが光り、書類がクッキリと表示された。とは言え、光は最適に調整されており文字などが飛んでしまうといったこともなかった。よりきれいな状態で書類をスキャンしておきたい人には、いい機能と言えそうだ。
発売後の進化にも期待
このようにApple Pencil Proへの対応などで機能性が上がったiPad Pro、iPad Airだが、現状のiPadOSには、冒頭で挙げた高い処理能力を生かす機能があまり搭載されていないようにも見える。
特にiPad ProのM4は、AI処理の演算を1秒間に38兆回行える(38TOPS)ほどの性能で、生成AIを端末上で動作させることもたやすい。こうした処理能力に頼った機能は、6月のWWDCでiPadOSの新機能として発表される可能性が高い。その意味で、発売後の進化にも期待できるデバイスと言えるだろう。
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