――読者からライターになる人も?
たくさんいらっしゃいます。ライター希望のお手紙をいただく場合もあるし、数年に1回、経験は問わないという形で記者募集もしています。専業主婦だった方や、全然違うお仕事をされていた方など、いろいろです。取材した相手で、面白いと思った場合にはこちらからお声がけもしています。
――VERY世代が今、望んでいるライフスタイルとは。
以前は、突出した何かがブームになりやすい時代でした。でも、今は、洋服でいえば、無理して高いものを買わなくてもオシャレができる時代。「ハイ&ロー」という言葉が出てきて、安いものを上手に混ぜてオシャレするのは賢くて素敵、という価値観にシフトしたのはもう7、8年前。最近では「ロー&ロー」も珍しくなくなりました。
「丁寧な暮らし」とか、「週末は郊外に」とか、最近よく言われていることですが、確かに何でもお金をかけて手に入れるというよりも、夫婦や家族単位で時間を共有することに関心が強まっていると感じます。「日曜日の風景」という、読者のおうちのインテリアを紹介する連載があるのですが、これも「家族が一緒にいられる日曜日という時間をどう過ごしているのか」といった視点から企画化しました。
ママが憲法について語るのは普通のこと
――憲法を採り上げた特集が話題になりました。高橋源一郎氏と内田樹氏がVERY読者を斬る対談など、知識人もよく登場します。企画はどのように作られているのでしょうか。
机上のプランではなく読者の肉声をもとに企画化しています。毎月の巻末アンケートで何百というマスのデータはとっていますが、たとえば有職者が増えていることはわかっても、どんな思いで働いているかということはわからない。だから、人に会いに行って話を聞く。部員全員がやっていることです。特に新人には、街に出て人に話を聞いてきなさいと言います。
憲法に関していえば、どうでもいいと思っているママなんかひとりもいませんよね。スタバでも話していることだけどな、と思ってしまう。
社会問題は、子どもの将来に直結する話です。たとえば、子どもを通わせたい幼稚園、学校のリサーチや下見って、ほとんど女性がやりますよね。そして旦那さんにプレゼンして、「いいんじゃない」と言わせる。なぜ子どものことはすべてママ任せなのだという話は置いておくとして、こういう作業って、そもそも社会の動きに敏感じゃなかったらできません。だから、憲法について話すのも普通のこと。
高橋氏と内田氏の対談も、決して奇をてらったわけではありません。ママになると叱られる機会がないよね、という読者との会話から、時に喝を入れてもらうとハッとする世代なんだという気付きから生まれた企画です。
VERYはライフスタイル雑誌なので、作っている側としてもこうした企画に違和感がありません。読者が気にしていることや、気になるであろうことは、これからも取り上げていきます。
(撮影:梅谷秀司)
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