止めるべき政策とは何か。列挙してみよう。
- リスキリングはいらない。
- 大学院への資金投入はいらない。
- 大学の学費無償はいらない。
- 高校無償化もやめる。
やるべきことは「質の高い教育」を提供すること
これらはなぜ不要なのか。
第1に、リスキリング(職務能力の再開発、再教育)は無駄である。時代は変化し、社会は変化し、経済はつねに変化している。
もちろん、新しいスキルはつねに必要だ。しかし、それはスキルにすぎないし、自分で学べばよい。習う必要があれば、習えばよい。必要なスキルは時々刻々と変わる。政策の支援など待っていられない。必要なスキルは自分で身につけるのであり、その手段は自分で探すのだ。政府などに言われなくとも、通勤電車は、勉強しているサラリーマンであふれている。ちゃんとした人は今までも、これからも自分でやっているのだ。
スマートフォンで暇つぶしをしている駄目な人間(私はこちら側だが)は、見捨てていい。しかも、政策で支援などしても、時代遅れなモノを非効率に供給するだけだ。だから無駄だ。
第2に、大学院への資金投入は、主に理科系で行われているが、これはカネがかかりすぎる。そして、これは教育のためではない。技術政策だ。
企業や政府が技術投資をするのは、コストがかかるし面倒だから大学院を利用してやれ、というための資金投入にすぎない。だから、うまく行っていない。技術のために投資することはよい。しかし、それは、企業が海外の企業に競争で勝つためではない。技術、科学の発展のために投入するのだ。いわば、全人類、いや地球全体のために行うものだ。
そして、そういう下心での資金投入は効果が小さい。流行物に流行遅れで資金投入するから、無駄になる。企業自体も、例えば液晶に投資しすぎたという例もあるから、失敗するのは政府だけではないが、要は、科学・技術の発展のために行うつもりがなく、目先の利益のために資金投入するのであれば、やめた方がいい。しかも、かなり高くつく。
第3に、大学の学費無償化は、大学教育の質を劣化させる。タダだから大学に来る学生は、なんとしても大学で学びたい学生にとって邪魔である。これは大学教育だけでなく、すべてのサービスに言えることで、タダより悪いものはない。貧困により大学に行けないという問題は、別の手段で解決すべきである。
第4の高校無償化も同じである。やるべきは、誰でもタダで高校や大学に行けるのではなく、やる気のある学生に質の高い教育を提供することである。
これらがやるべき政策である。質の高い教育を提供すること。これに尽きる。
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