モヤモヤした気分を劇的に変える「和の習慣」6つ 仏教から学ぶリフレッシュ法・ストレス対処法

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「調身」とは、横から見て背骨がS字を描き、尾てい骨と頭のてっぺんが一直線になるよう、姿勢を正して座ること。また「調息」とは、1分間に3~4回程度のゆっくりとした呼吸をすること。

この「調身」「調息」がうまくできれば「調心」、心が自然と整います。できれば坐禅会などに参加し、正しいやり方を覚えてください。

そうして朝晩2回、10分でいいから、坐禅の時間を持つといい。朝は心身の緊張がほぐれて自然と“活動モード”に入れます。夜は悩みや不安が消えてぐっすり眠れます。

また仕事に行き詰まったり、少し疲れたりしたときなども随時、1人になれる場所を見つけて、坐禅をしてみてください。心身がリフレッシュされ、オン・オフのいい切り替えになります。もちろん仕事効率も上がります。

今日1日を無事に過ごすために

朝晩、手を合わせる――自分と向き合う時間を持ちたい 

坐禅と合わせて朝晩の習慣にしていただきたいことがあります。それは仏壇などの前で「手を合わせる」ことです。

『仕事も人間関係もうまくいく引きずらない力:もっと「鈍感」でいい、99の理由』(知的生きかた文庫)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

私は朝一番にお湯をわかし、香り高いお茶を入れて、「今日一番のお茶ですよ」とお供えします。そして仏さまに手を合わせ、心のなかでこんなふうにお話しします。

「今日も無事、朝目覚めることができました。ありがとうございます。今日はこういう予定があって、こんなことをしようと思っています。がんばります。どうか1日を無事に過ごせるようにお守りください」

こういうひとときを持つと、心が整理され、今日1日に向かう元気が出てきます。

また夜寝る前も、同じように、「おかげさまで無事に1日を終えることができました。見守ってくださり、ありがとうございました」などと話します。

いまは仏壇のない家庭も多いかと思いますが、部屋の一角に仏像や故人の写真を飾るなどして、仏さまと心の交流をする空間を設けてはいかがでしょうか。朝晩手を合わせるこの習慣を持つことにより、心健やかに1日を過ごせます。

枡野 俊明 「禅の庭」庭園デザイナー、僧侶

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ますの しゅんみょう / Shunmyo Masuno

1953年、神奈川県生まれ。大学卒業後、大本山總持寺で修行。禅の思想と日本の伝統文化に根ざした「禅の庭」の創作活動を行い、国内外から高い評価を得る。芸術選奨文部大臣(当時)新人賞を庭園デザイナーとして初受賞。ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章を受章。2006年、『ニューズウィーク』誌日本版にて「世界が尊敬する日本人100人」に選出。主な作品はカナダ大使館庭園、セルリアンタワー東急ホテル庭園「閑坐庭」、ベルリン日本庭園「融水苑」など多数。曹洞宗徳雄山建功寺住職、多摩美術大学環境デザイン学科教授。著書に『心配事の9割は起こらない』『仕事も人間関係もうまくいく放っておく力』(以上、三笠書房)など。

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