フランスで増加「環境問題で引きこもる子」のなぜ ジャーナリストの西村カリン氏に話を聞いた
議論は、学ばないとできるようにはなりません。フランスでは教科を問わず、あらゆる授業の中で議論が行われています。
親子で意見が合わないときには、親がきちんと理由を説明することも大事です。人によりますが、3歳ぐらいになると自分の意見や言動の理由を言える子も出てきます。子どものうちから意見のやりとりをすることで、議論する力の下地をつくることはできます。
議論の仕方を学ばないと、大人になっても忖度ばかりで相手の望むことだけをする人になります。そんな大人が増えれば、誰もリスクを取ろうとしなくなり、社会の成長が止まってしまう。
そうならないようにするためには、従順なサラリーマンではなく、自分の考えを持って議論のできる国民を育てなければなりません。厳しいグローバル環境の中で日本の立場を強化するためにも重要なことだと思います。
――フランスでは、1クラスの人数が日本よりも少ない点でも、話し合いの場を持ちやすい環境にできているのではないでしょうか。
フランスには荒れている学校も多く、1クラス24人前後じゃないと授業が成り立たないという事情もあります。実際、30人ともなると多すぎると思っている先生は多いです。実際に少ない人数でクラス運営がされているからこそ、仮に政府が1クラスを40人にしなさいと言ったら、フランスの先生たちはストライキをすると思います。
学校に相談員がいるフランス
――フランスの学校現場では、子ども同士でのもめごとが起こった場合はどうしているのでしょうか。
フランスの学校には相談員がいます。いない場合でも、先生と子どもたちが話す時間は日本より取りやすいと思います。クラスに問題が起こったら先生が時間割を変更して、クラスの問題を解決するための議論を優先するような柔軟さもあります。
知り合いの元校長に話を聞いたところ、日本でも数十年前には、時間割を自由に作成する柔軟さが、一定程度あったようですが、最近はどんどんその自由度が狭くなっているように感じます。今でも必要に応じて、時間割を変更することは可能だと思います。
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