「最近の若者は人間関係が希薄」「性に奔放だ」という見方をする人もいるが…。Z世代を調べてわかった"意外すぎる実態"

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
(撮影:今井康一)
Z世代の人間関係は本当に「希薄」なのか。30年分のデータで見ると、むしろ人づきあいは濃密になり、幸福度も上昇していました。性的に奔放というステレオタイプも今や過去のもの──。博報堂のシンクタンクが、30年前と同じ設計で実施した「若者調査」をもとに、20歳前後のコアZ世代と、その親世代を比較分析した書籍『Z家族 データが示す「若者と親」の近すぎる関係』から一部抜粋・再構成してお届けします。

×「最近の若者は人間関係が希薄で、ひとりの時間を大切にする傾向が強い」

飲み会を避ける、ひとりスマホに没頭する、ゲーム漬けの毎日を送っている、ひとりディズニーが話題になる……。最近の若者に対し、群れずに個で行動するイメージを持つ方も多いでしょう。

しかし、「仲間と行動することが多い」「仲間の溜まり場がある」「自分は誰とでも友達になれる方だ」といった項目について、19~22歳の回答は30年間で若干の減少は見られるものの、大きくは変化していません。さらに「人づきあいは濃密な方だ」と答えた人の割合は、1994年には23.5%でしたが、2024年には39.7%に大幅に増加。決して、仲間との関係性が希薄になっているわけではなさそうです。

(画像:『Z家族 データが示す「若者と親」の近すぎる関係』より)

「そうはいっても、会社の若者は付き合いに消極的だが?」と疑問に感じる方もいるでしょう。「社員旅行にはできれば行きたくない」と答えた若者の割合は、41.5%→51.0%と10ポイント近く増えているのも事実です。

では、この設問に49〜52歳はどのように回答したのでしょうか。若者に苦言を呈するくらいだからみなさん参加したいのかと思いきや、「できれば行きたくない」と答えた人の割合は62.0%。なんと、若者層よりも10ポイント以上高かったのです。人間関係を敬遠しているのは、若者よりもむしろ中高年なのではないか─そんな見方もできる結果となりました。とはいえ現実的には、共働きの家庭も増えていますし、子育て中の世代ほど家を空けてなどいられない、という事情もありそうです。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事