「最近の若者は人間関係が希薄」「性に奔放だ」という見方をする人もいるが…。Z世代を調べてわかった"意外すぎる実態"

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

もちろん、若者の人付き合いの形は30年前とまったく同じではありません。デジタルコミュニケーションが広く普及したことで、物理的な距離に縛られずに人間関係を築いたり継続したりできるようになった点は大きな変化です。インタビュー調査の中では、「仲間とはいつもオンラインゲームで遊んでいて、そこがいわば『溜まり場』になっている」といった意見もありました。仲間とのつながり方は変化しているものの、つながりそのものが弱くなったわけではないのです。

さて、「正しくない」若者像の中には「消滅した若者らしさ」もありました。つまり、以前は「若者らしさ」と呼べる要素だったけれど、今やすっかり消え去ってしまった特徴群です。代表的なものを2つ取り上げてみましょう。

×「若者は性に奔放だ」

若者は「性的に奔放」というイメージを持たれがちです。確かに以前はそうでしたが、現在ではかなり状況が異なります。

「生活定点」調査では「異性の友人とエッチな会話をすることに抵抗はない」という意識を30年にわたって聴取し続けています。こんな項目を調査し続けてくれた先人に感謝しつつデータを見てみると、1990年代から2000年代にかけての20代の値は、ほかの年代に比べて明らかに高いことが分かります。しかし、2010年代以降はこの値が徐々に下がり、現在ではほかの年代とほとんど差が見られなくなっています。

(画像:『Z家族 データが示す「若者と親」の近すぎる関係』より)

「初デートでも互いの気持ちが合えばセックスしてもかまわないと思う」という意識も、かつては若者がほかの年代に比べて高い割合を示していましたが、減少傾向に。2012年から30代に、2018年から40代に、2024年にはなんと50代にも追い抜かされました(近年になって50代など上の世代がやや上昇傾向にあるのも興味深い動きです)。

いずれのデータからも、かつて「若者=性的に奔放」といった印象、あるいは自覚を持っていた上の世代の人たちが、過去の自分たちの世代像をそのまま今の若者に投影しているであろうことがよく分かります。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事