「最近の若者は人間関係が希薄」「性に奔放だ」という見方をする人もいるが…。Z世代を調べてわかった"意外すぎる実態"

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Z世代は「かわいそう」どころか「とても幸せ」

Z家族 データが示す「若者と親」の近すぎる関係 (光文社新書 1376)
『Z家族 データが示す「若者と親」の近すぎる関係 』(光文社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

しかし、データはこの思い込みについてはっきりノーと言っています。幸福感を確かめるための「生活満足度」「幸福を感じる程度」「生活の楽しさを感じる程度」という3つの項目で、「かわいそう」というイメージとはまったく反対の結果が出ているのです。

「生活に十分満足している」と答えた人の割合は、30年前の9・4%から、なんと30・0%へと3倍以上に増加しています。「非常に幸せ」と感じている人も、19・7%→33・5%へと大きく上昇。「生活が非常に楽しい」と答えた人も2倍以上に増え、今では3割近くにのぼります。

つまり、Z世代は「かわいそう」どころか「とても幸せ」であり、「とても楽しい」日々を「とても満足」して過ごしているわけです。

実はこの傾向は、10年以上前から指摘されていました。現代の若者の、この奇妙な幸福度の高さについて「日本の将来に期待ができず、悪化していくであろうこの先に比べれば、『今は幸せだ』と答えるほかないのではないか」という説が唱えられたこともありましたが、その後のデータ検証で学術的に否定されています。将来の展望が明るいほうが、やはり現在の幸福度も高かったのです。

博報堂生活総合研究所

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広告会社博報堂の企業哲学「生活者発想」を具現化するために、1981年に設立されたシンクタンク。人間を単なる消費者ではなく「生活する主体」として捉え、その意識と行動を継続的に研究している。1992年からの長期時系列調査「生活定点」のほか、さまざまなテーマで独自の調査を行い、生活者視点に立った提言活動を展開。『Z家族 データが示す「若者と親」の近すぎる関係』は若者研究チーム(酒井崇匡、髙橋真、伊藤耕太、佐藤るみこ、加藤あおい)による調査・分析をもとに構成されている。

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