「モノ言う株主」米名門百貨店の破綻招いた大誤算 長期的な目線で「企業価値の向上」を目指すべき

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アクティビスト投資家が長期的な企業価値の向上を目指してマネジメントに意見をすることで、本質的な企業価値が株式市場に認知されるきっかけになる可能性がある。

一方で、アクティビスト投資家が短期的な利益の改善を求め、会社の長期的な成長を阻害する場合には、企業価値を棄損する結果にもつながる。

アクティビズムがポジティブであることを示す、少し古いデータを紹介する。

The Journal of The American Finance Associationが2008年7月に公表した「Hedge Fund Activism, Corporate Governance, and Firm Performance」によると、2001年から2006年のあいだにおけるアメリカのアクティビスト投資家のデータを分析すると、アクティビスト投資家が投資したことによって、投資した会社の企業価値が7%上昇し、その7%は長期的にリバースすることはなかったそうだ。

また、Harvard Law Schoolが2013年8月に公表した別の調査においても、アクティビスト投資家が投資を引き揚げてからの3年間のデータを見ると、投資をされていた会社の株価は上がり続けたとし、一部の批評家が指摘するような「アクティビスト投資家は長期的な成長を犠牲に短期的な利益を追求している」という証拠は見られなかったとしている。

J.C. Pennyの再建では大失敗も

このようなデータを基にすると、アクティビスト投資家は総合すると企業価値の向上に貢献しているようにみえるが、当然、個々の事例でみると企業価値を棄損することになったネガティブな事例も多数存在する。

アクティビスト投資家が企業価値を棄損した例として有名なのが、米投資家ビル・アックマンが創設したパーシング・スクエア・キャピタル・マネジメント(Pershing Square Capital Management)が行なった、J.C. Pennyへの投資だ。

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