マンション内見「急いで・たくさん」の落とし穴 内見の前にやっておいたほうがいいことがある

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マンションを内見する夫婦
内見すればするほど見る目は養われそうですが、実際は…(写真:Fast&Slow / PIXTA)
マイホームは人生の大きな買い物。希望に叶う物件を求めて、抜かりがないよう内見を繰り返している人も多いのでは? しかしそれだけでは、失敗してしまう可能性がある、と言うのは不動産コンサルタントで「さくら事務所」会長の長嶋修さん。「良さそうな物件が見つかったら急いで内見に行く」「とにかくたくさん内見する」ことの何が“落とし穴”なのかを見ていきます(本記事は、長嶋さんの著書『マンションバブル41の落とし穴』から一部を抜粋・再編集したものです)。

買ったばかりなのに漏水トラブル

「深く考えずに買ってしまったが、もっと慎重に選ぶべきだった」

マイホームを買って間もない山田さん(仮名)は、現在、民事訴訟の真っ最中。山田さんが訴えたのは、買った物件の売主(不動産会社)です。

当初は話し合いによる解決を目指していたものの話はこじれ、訴訟へとなだれ込んでしまいました。

山田さんの主張は「リフォームされた物件を買ったが、とんだ欠陥住宅だった」というもの。購入したマンションは、築古の物件を不動産会社が買い取り、リフォームして再販したものでした。

見学して、内装のきれいさと立地の良さに惹かれた山田さんは、近隣の新築マンションに比べると割安だったこともあり、ほとんど即決で購入を決めました。

ところが、入居してすぐに浴室(タイル張りの在来風呂)で漏水が発生。階下の住戸に浸水する事態になりました。

異常に水を使ったわけでもなく、短時間シャワーで体を洗って湯船につかっただけ。山田さんに落ち度があったわけではありませんが、階下の住人に対し損害賠償責任を負う羽目になりました。

保険で対応できたのは不幸中の幸いでしたが、引っ越して早々に階下の住人と気まずくなってしまいました。

業者を呼んで原因を調べてもらったところ、仕上げタイルの下の防水層が劣化していました。防水層は古いままで、リフォーム時に防水工事はされていなかったのです。結果、防水工事で多額の追加出費を強いられることになりました。

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