マンション内見「急いで・たくさん」の落とし穴 内見の前にやっておいたほうがいいことがある

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特に危険なのは、物見遊山のような感覚で、予算オーバーの高級物件を見に行くことです。高級物件は外観や内装、立地などに魅力があるからこそ高額になっているわけで、実際にそれを見たら、当然「いいな」と感じるでしょう。

マンションバブル41の落とし穴
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すると、その後で自分にとって無理のない金額の物件を見たとき、どうしても高級物件と比較して「あっちのほうが良かった」と思いがち。

その結果、諦め切れずに高級物件の購入に踏み切ってしまう人もいますが、もちろん後で資金繰りに窮することになります。

やみくもに物件を見て歩くと、このように本来のニーズとかけ離れた物件をつかんでしまうリスクがあります。

「たくさん見れば、目が肥えていい物件を見つけられるようになる」と思っている人がいますが、自分の潜在ニーズと向き合わずにいくら物件を見ても、メリットは何もないのです。

不動産エージェントの活用もあり

もし、自分で物件を探すことに不安を感じるなら、不動産エージェントに依頼するのも手でしょう。米国では家を買う際に不動産エージェントに依頼するのが当たり前で、富裕層に限らず、一般の人でも普通に依頼します。

日本だと、不動産デベロッパーや仲介会社の営業マンと交渉しながら家を買うケースが多いですが、この場合、交渉相手はあくまで自社の物件を売りたいと考えている人たちなので、第三者目線でのアドバイスはあまり期待できません。

そのため、買い手は偏った判断材料しか持たないまま、一世一代の買い物に挑むことになります。

一方、不動産エージェントという第三者が介在していれば、物件探しを頼むことができるのはもちろんのこと、気になる物件があって「物件ありき」で相談したときにも、中立的な立場から良し悪しを指摘してもらえます。

ただ、一部には顧客の希望に寄り添わない、不誠実な不動産エージェントがいるのも事実です。話してみて信頼性に欠けると感じたり、価値観の相違を感じたりした場合には、すぐに別のエージェントを探すべきでしょう。

長嶋 修 不動産コンサルタント(さくら事務所 会長)

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ながしま おさむ / Osamu Nagashima

1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社『株式会社さくら事務所』を設立、現会長。以降、さまざまな活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築いた。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任している。主な著書に、『マイホームはこうして選びなさい』(ダイヤモンド社)、『「マイホームの常識」にだまされるな!知らないと損する新常識80』(朝日新聞出版)、『これから3年不動産とどう付き合うか』(日本経済新聞出版社)、『「空き家」が蝕む日本』(ポプラ社)など。さくら事務所公式HPはこちら
 

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