「ガチャ化する社会」でZ世代が持つべき考え方 上司、配属、ガチャの当たりはどこにある?

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『君は君の人生の主役になれ』(鳥羽和久著、ちくまプリマー新書)という本のなかで(熱いタイトルだ)、ガチャ概念の根本的な問題を指摘している箇所がある。鳥羽氏の指摘は通説と一風変わっており、かつ核心に迫っている。

すなわち、「ガチャ概念の最たる誤りは、当たりがどこかにあると錯覚している点にある」というのだ。ガチャを引き、そしてハズレを引いたと思っている人は、おそらく当たりが何であるかわかっていないし、厳密な定義もしていない。

1位男性を狙い続ける婚活ガチャで本当に考えるべきは、高望みしないで妥協しなさいっていうお節介よりも、本当に1位男性が当たりなのか、という問題だろう。仮にいつか1位男性とマッチングできたとして、その男性と結婚することが幸福を決定してくれる保証など、どこにもない。逆になんなら10位男性くらいでも十分幸せなのかもしれないけど、引く側が勝手にハズレ扱いしているだけの可能性もある。

自分、配属ガチャ、外れたんですよ。上司ガチャもハズレ。やってられないですよね。こんな会社、辞めた方がマシだわ。

そう言っている人に本当に忠告すべきは、あなたはあまりに他責すぎますよとか、同僚に失礼な物言いですねとか、そういうことではない(まともな忠告だけど)。じゃあ、あなたの思う当たりとは何であって、どこに存在するのかご存じなのでしょうか? 当たる見込みはありますか? という問題なのである。

ガチャの当たりを掴むために

ある転職エージェントの方の話を聞いたことがある。その方は保育士や医療専門職に特化したサービスを展開している。資格さえあれば柔軟に職場を変えやすく、元々転職が多い業界ではあるため「リピーター」が多い。

あるお得意さんは、短期間での転職希望が度重なる。すぐ辞めたがる。理由も決まっていて、「人間関係が嫌になった」。同僚ガチャに外れ続けているわけだ。

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