「ガチャ化する社会」でZ世代が持つべき考え方 上司、配属、ガチャの当たりはどこにある?
『婚活戦略』(高橋勅徳著、中央経済社)には、次のようなエピソードが出てくる。舞台はいわゆる婚活パーティー。10〜20人くらいの男女で集まって、1人5分で自己紹介。意中の人を指名してマッチング、カップルが成立すれば個別で連絡先交換、みたいなシステムだ。
実際に婚活をしていた著者の高橋先生は、悲しいことにまったくモテない。パーティーの後半はモテない同性で集まって話すという過酷な環境を強いられる。そのような苛烈な状況で、さすが研究者の高橋先生は、ある事実を発見する。女性側の指名がトップ男性に集中しているというのだ。
つまり20人も婚活男性が集まると、年収・職業・見た目など、やはり突出した人が現れる。女性はことごとく、その男性に群がる。1位に集中するのだ。しかし、考えてみると、あえて5番目くらいを選べば独り勝ちできる可能性は高いし、決して悪い戦略ではなかろう。20人中の5番目なら十分上位だ。ではなぜ、そうならないのか。
高橋先生は実際にある女性に聞いてみた。なんで1位に行くんですか?と。見目麗しいその女性は、あっけらかんと言ったという。
「一番若くてイケメンのところに行くよね。狙っているイケメン以外、話はするけど、申し訳ないけど眼中にない。今日マッチングしなくても、こういうパーティーは次があるし。だって、別に、次のパーティーで見つけたらいいじゃない」
まさに、婚活ガチャだ。かくして「婚活パーティーのリピーター」という、一番あってはならない優良顧客が出来上がる。
ガチャの当たりはどこにある?
婚活ガチャを当てる方法は、当たりが出るまで何度も引くことである。しかし、この必勝法を実践しているはずの人が、当たりを掴めずなぜかガチャを引き続けている。なんだこのガチャ、当たりが入ってないのか?
もうお気づきの方もいるだろう。ガチャ概念は、決定的な弱みを抱えている。
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