ゴミ屋敷の住人のほとんどは私生活に何らかの問題を抱えていることが多い。心のダメージによって「セルフネグレクト」のような状態に陥り、部屋が荒れていってしまう。
しかし、この男性にはそういった“陰”がないのだ。ゴミ屋敷になってしまった経緯についても、恋人に部屋の状況をひた隠しにしていたことについても、笑いながらあっけらかんと話していた。
「自分の身の回りのことに執着がない方でした。とっておくモノも最小限で、“もう全部いらないです”と言って作業中は外に出ていました。
支払いは分割だったんですが、期日通りに振り込んでくれましたし、最後は結局まとめて支払っていたのでお金に困っている様子もなかったです。部屋の状況に悩んでいる様子もなく、ただただ片付けるのが面倒くさかった。それだけなんだと思います」(二見氏)
必ずしも「ゴミ屋敷の住人=不幸」ではない
実際のところ、結婚という機会がなければこの男性も部屋を片付けようとはしなかっただろう。そして、変わらず趣味に忙しく楽しい人生を過ごしたかもしれない。ゴミ屋敷の住人としては、かなり珍しいタイプだそうだ。二見氏が続ける。
「この仕事を始めてしばらくは、ゴミの屋敷の住人が100人いたら100人が部屋の状況に思い悩んでいるものだと思っていたんです。もちろん、ほとんどの方が何かしら心に闇を抱えているんですが、すべてがそうではないことを知りました。
お金もあって私生活も充実していて人生を満喫しているけど、ただ部屋の片付けだけは面倒くさくてできないという人もいるんですよね。そういう人は僕らみたいな業者にパッと頼んで、お金で解決してもらったらいいと思うんです。それくらいドライなら僕らも“散らかったらまた頼んでくれるやろ”と心配せずにいられます」(二見氏)
男性も「どうせ頼むなら早く頼めばよかった」と笑う。
「(ゴミ屋敷に住んでいる人は)迷っているよりはもう頼んだほうがいいです早く。最初はこうやって動画撮られるのもどうかなと思っていたんですけど、戒めのためにもいいですわ(笑)」(男性)
イーブイによってこのゴミ屋敷は「なかったこと」になったのだ。そして、心機一転、結婚生活が始まる。
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