高性能車に新たな刺客、「N」とは一体何者なのか? 間もなく発売ヒョンデ「IONIQ 5 N」の超実力

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ボンッと強めにアクセルを踏んで“きっかけ”を作ればよい。前輪を軸にリアが外に出ていくドリフト状態になった瞬間、アクセルペダルを踏んでいる力を少しゆるめてやる。

おしりでクルマが滑っているのを感じながら、軽いアクセルペダル操作でドリフトが続けられる。これはおもしろい。

散水路をアクセルペダルの加減で振り回して走るのは楽しい(写真:ヒョンデ・モビリティ・ジャパン)
散水路をアクセルペダルの加減で振り回して走るのは楽しい(写真:ヒョンデ・モビリティ・ジャパン)

一般道では、「日本向けは、道路の段差を越えるときなどで、しなやかな乗り心地をねらいました」と前出のワルテンバーグ氏が言うとおりで、硬すぎず、よくできたGT(グランツーリスモ)というべき乗り味が堪能できた。大人5人が乗っていられるパッケージングで、無敵感がある。

まずは「体験」してほしい

「韓国では、それまでICE(エンジン車)に乗ってきた層に興味を持ってもらうため、数々の装備を搭載しました」とワルテンバーグ氏。「いまの段階でここまでやらなくも?」という質問については、誰もいないマーケットに入っていく”先行者利益”とする。

「速く走らせるために操作がやや複雑だという意見は、韓国でもあります。でも、自分好みのIONIQ 5 Nを仕立てる楽しみと捉えていただければ」

ヒョンデ・モビリティ・ジャパンでPR/マーケティングなどを担当するバイスプレジデントのイム・ミンジュ氏は語る。

「今後は、スマートフォンのようにOTA(Over The Air)で機能をアップしていく予定です。テックサビー(Tech Savvy)ともいえるテクノロジー好きや、人とは違う新製品を好む層にアピールし、それが成功したことで、今は次の段階に入っています」

グレーのボディカラーを持つIONIQ 5 Nの前でイム・ミンジュ氏(写真:ヒョンデ・モビリティ・ジャパン)
グレーのボディカラーを持つIONIQ 5 Nの前でイム・ミンジュ氏(写真:ヒョンデ・モビリティ・ジャパン)

「日本市場でも、“EV LOVE”とでもいうような、エッジーなテクノロジー好きの方が興味を持ってくれているようです。でも、私たちは既存のIONIQ 5やコナといったファミリー向けモデルと、IONIQ 5 Nがまったく違うクルマだと思っていません。電気のポテンシャルをフルに使えるように開発した点では、同じベクトルにあると考えています。ヒョンデの技術力を体感してもらいたい、というのが最大の望みです」

日本市場での成功の可能性も高いのでは、というイム氏。大事なことは、「実車を体験してもらうこと」だとする。

「コナも同様でしたし、IONIQ 5 Nも“乗ったらわかる”という表現がぴったりなクルマです。クロスオーバーでもハッチバックでもない、NはN。この唯一無二の存在感を体験してもらうことが成功につながると、私たちは考えています」

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日本での価格は、900万円前後になるという。6月5日の正式発売前に、4月25日から限定50台で「IONIQ 5 Nファーストエディション」の予約注文が始まっている。

M、AMGといったモデル名に惹かれる人なら、パワートレインが違っていても、いや、逆にだからこそ、IONIQ 5 Nが開拓する新しい世界をぜひ一度体験してみてほしい。

【写真】新世代スポーツ「IONIQ 5 N」のスタイリングを詳しく見る
小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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