高性能車に新たな刺客、「N」とは一体何者なのか? 間もなく発売ヒョンデ「IONIQ 5 N」の超実力

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IONIQ 5 Nも、車名とボディスタイルこそ4ドアのIONIQ 5と近いが、中身はまったく別ものだ。

インテリアも外観と同様、IONIQ 5をベースにまったく異なるムードを醸す(写真:ヒョンデ・モビリティ・ジャパン)
インテリアも外観と同様、IONIQ 5をベースにまったく異なるムードを醸す(写真:ヒョンデ・モビリティ・ジャパン)

前後2つのパワフルなモーターと大容量バッテリーを搭載するのに加え、ボディ剛性とサスペンションの取り付け部の剛性をアップ、トラック(トレッド)を拡大し、大容量ブレーキと専用の電子制御ダンパーを取り付け、タイヤをハイグリップなものにし……と、“高性能化“のメニューは、枚挙にいとまがないほど。各部の軽量化も怠らない。

前後のモーターは最大478kWの最高出力と770Nmの最大トルクを発生する。車高の低いボディに、大きなエアロパーツ。さらに室内もレースカーを思わせるヘッドレストレイント(ヘッドレスト)一体型バケットシートの採用などで、かなり“すごみ”が利いている。

軽量なセミバケットシートはなんと標準装備(写真:ヒョンデ・モビリティ・ジャパン)
軽量なセミバケットシートはなんと標準装備(写真:ヒョンデ・モビリティ・ジャパン)

コンセプトはWRCインスパイアードの4WD電気自動車

日本での正式発売を前にした2024年4月下旬、ヒョンデ・モビリティ・ジャパンは、千葉県袖ケ浦市にある袖ヶ浦フォレストレースウェイでメディア向けの試乗会を開催。私も参加した。

IONIQ 5 Nに乗るのは、2023年秋の韓国以来。そのときはサーキットのみでの試乗だったが、日本では公道も走れて、より多角的にこのクルマを見ることができた。

「IONIQ 5 Nは(2023年5月の発表以来)およそ1年が経ち、韓国内ではアフターパーツの販売が始まるなど、ようやく小さな花だったものが花束になってきたように感じています」

そう語るのは、今回の試乗会のタイミングで来日したバイスプレジデントのティル・ワルテンバーグ氏。「ヘッド・オブ・Nブランド&モータースポーツ」の肩書を有するNブランドのキーマンだ。

IONIQ 5 Nのドライバーズシートでバイスプレジデントのティル・ワルテンバーグ氏(写真:ヒョンデ・モビリティ・ジャパン)
IONIQ 5 Nのドライバーズシートでバイスプレジデントのティル・ワルテンバーグ氏(写真:ヒョンデ・モビリティ・ジャパン)

「WRC(世界ラリー選手権)インスパイアードの4WD電気自動車」というのが、ワルテンバーグ氏によるIONIQ 5 Nの定義。

「最終的には、BEVの国際規格のレースが始まり、多くのメーカーがそこに参加して、盛り立ててくれることです」

それが先の発言にあった、「花束」の真の意味だろう。

袖ケ浦フォレストレースウェイとその周辺を走らせることができた(写真:ヒョンデ・モビリティ・ジャパン)
袖ヶ浦フォレストレースウェイとその周辺を走らせることができた(写真:ヒョンデ・モビリティ・ジャパン)

IONIQ 5 Nの開発コンセプトは「コーナリング能力、サーキットでの走行性能、そして日常でのファン・トゥ・ドライブ性」だとワルテンバーグ氏は言う。そのための機能がふんだんに盛り込まれている。

たとえば、走行モードに合わせてバッテリー性能を最適化するための温度管理システム「Nバッテリー・プリコンデショニング」、ハイスピードでのコーナリング時などで、ブレーキペダルとアクセルペダルと同時に使える「Nレフトフットブレーキング」。

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